こんにちはプチ鹿島です。 「馳浩」論は3年前に出した拙著に書いたのですが、今回は文字量を半分以下におさえつつ、再度まとめてみました。加筆した部分もあります。 「プロレスラー馳浩」について。 90年代を象徴するプロレスラーとして、まっ先にあげたいのは馳浩である。 昭和(80年代)の新日本プロレスのリングでは猪木や長州がどろどろした情念をたっぷり見せる、暗くて求心力のある試合をしていた。10代の私は魅了されていた。 しかし、馳の覚醒ですっかり風景が変わった。 馳のプロレスは情念の正反対の明るいスタイルだった。アマチュアレスリング流のさわやかでけれん味のない匂いを発散し、合理的でサバサバしていた。 私は馳の明るさがイヤでイヤで仕方なかった。「これは新日本の伝統を壊しているのでは?」と敵視した。 人間は子どもの頃に見ていたものに愛着を持つ。私にとって昭和新日本を内部から明るく壊す馳浩は認めることは