後藤健二さんの姿がテレビに映し出されるたび、時間と空気が止まったような感覚に陥ります。ご家族のお気持ちを思うと、言葉もありません。 後藤さんとは1度だけお仕事をご一緒したことがあります。 私は311直後、ユニセフの支援チームと一緒に宮城に入ったのですが、そのとき後藤さんはユニセフの活動の記録係を担当されていました。避難所になっている中学校の体育館に入ると、避難している子供たちはみんな元気がなくて、大人しく座ってテレビを見ていました。そこにユニセフが玩具などの支援物資を提供し、元気を取り戻した子供たちに後藤さんは笑顔でカメラを向けていました。各社の記者たちがメモ片手に子供たちからコメントを取ろうと必死になるなか、後藤さんは途中から自分も子供たちと一緒になって遊んだり、被災したお母さん方と取材という風でもなく普通に会話をしていました。今思えばそれが、後藤さんが中東でそれまでも、その後もずっとや