台湾の中正(蒋介石)記念堂で売られているTシャツ。毛沢東と蒋介石が1945年に重慶で会談した時の記念写真を配したものである。 現代中国文化は、まさに百花繚乱の状態にある。かたや伝統的学術すなわち「国学」の肯定的な見直しが進む中、世紀転換期を挟んで本格的に伝播したポストモダンの諸思潮も中国の知識界に大きな影響を与えている。民主化を求める声がインターネットを通じて伝播する一方、そのインターネット利用をめぐっては様々な公的規制が加えられ、それがさらに内外の議論を呼ぶなど、現代中国の文化は、同国の経済面の繁栄と相まって、世界の注目を浴びている。 だが、百花繚乱の如く見える現代文化は、芸術をとっても、思想をとっても、その中に歴史の刻印や記憶、そして政治との軋轢を内包していることを我々は知っている。歴史の刻印や記憶のいくつかは、例えば文化大革命や民主化運動弾圧のように、公的に巧みに封印されてはいるが、