著: 難波 里奈 昔から「商店街」がとても好きで、日常ではもちろん、旅先でも地図で探しては出掛けて歩き回るのが習慣となっている。そこで暮らす人たちが何気なく歩いている場所、というのはそれだけでなぜかほっとする。 今まで訪れた中でも印象的だったのは、日本一長いと言われる大阪の天神橋筋商店街で、1軒目の純喫茶を見つけて喜んだのもつかの間、店を出て歩き出すとまたすぐに次の純喫茶が視界に入り、その度に入店してしまい、1丁目から6丁目まで歩き終える間にはなんと13軒も訪れていた。それでもしらみつぶしにお邪魔出来たわけではなく、行けていない店もまだまだある。心残りはまた次回の楽しみにして、今も機会をうかがっている。 驚くべき数の純喫茶が軒を連ねる天神橋筋商店街にはかなわないが、私が生まれ育った街にもとても大きな商店街がある。東急目黒線の目黒駅から2つ先の武蔵小山という駅にある「パルム商店街」だ。道幅も