アマゾンと、ロングテールに関する“大きな勘違い” 第4回 ネット・エコノミー解体新書 2006年9月7日 木曜日 磯崎 哲也 Web2.0を特徴づけるキーワードとして「ロングテール」というキーワードが使われることが多い。通常の店舗では品目数上位20%が全体の売り上げの80%を占めるのが普通だが、ネットのビジネスでは残り80%の品目の売り上げが上位20%の売り上げを上回る(図1)──代表例はアマゾン(amazon.com)だ──というように表現されることが多い。 しかし、ちょっと待っていただきたい。 まず第一に、通常の店舗より多い品目数を扱えるというのは、ホントに「Web2.0」の特徴なのか? ネットのほうが品目数をたくさん扱えるのは、94年にアマゾンが創業されてからずっとそうだったのではないのか? Web1.0か2.0か、というのは単なる言葉の定義の問題ではあるが、2.0のほうが、より「進
魅力ある花形か究極の3Kか? Webデザイナーの明日はどっち? 見学志望の若者たちと、じっくり話をしてみると そろそろ学生には夏休みがやってくる。例年、この時期になると、我が現場にさえ「話を聞きたい」「できれば制作現場を見学したい」という希望が寄せられることもある。要するに、将来のリクルート活動の参考に……といったところなのだろう。 もっとも、設立から求人の歴史がない我が現場では、特定の学部や学校などとの採用事例もないため、その数は極端なほど少ない。しかも、ほとんどが知り合いの息子さんや娘さんで、過去に入力などのアルバイトをお願いした関係で、その友人ともども「あくまで参考」にというパターンばかりである。 したがって、「インターン」と称して、夏休み限定で志望者を集める同業社と違い、純粋な意味でリクルート活動に役立つとはいえない。さらに、現場見学となると、個人情報もあるし、守秘義務もあ
なぜ今、「家族」なのか? 「家族」を売る男性誌の登場 「OCEANS」という雑誌をご存知だろうか。 インターナショナル・ラグジュアリー・メディア(ILM)という出版社が発行し、異例のヒットとなっている男性ファッション誌だ。「LEON」の副編集長だった大久保清彦氏が、ILM社に移って立ち上げたことでも話題になったので、ご記憶の方も多いかも知れない。 この「OCEANS」の表紙は毎回しあわせを絵に描いたような「家族」の肖像写真で飾られている。もちろん表紙だけでなく、雑誌のページを開けば全編に渡って「家族」が登場する。ブランドのブティックで戯れる父親と娘、出勤前に高級スーツ姿で娘の耳打ち話を楽しそうに聞く父親、祖父譲りの高級時計を手に息子に思い出を語る父親……といった具合に。 今まで男性誌と言えば「家族」はもちろん、生活を感じさせるようなものはタブーだった。男性誌は夢やあこがれを売る。
情報システムには、不正の痕跡が残されている―。それをあらためて知らしめたのは、今年1月の東京地検特捜部によるライブドアに対する強制捜査だ。100台以上のパソコンを押収し、データセンターにあるサーバーも調査。やり取りされた電子メールの内容が、容疑を固める重要な根拠となった。 このような、「情報システムをどのように利用したか」という情報が、企業にとって大きな意味を持つようになってきた。その重要性に気付き、システムの利用履歴の詳細を記録する企業が増えている。KDDI、アイネス、センチュリー21・ジャパン、ソフトバンクBB、東京工業品取引所などがそうだ。すでに、数テラ(T)バイトに及ぶ記録を蓄積している企業もある。記録を保存しておけば、情報漏洩事故などが起きた際に、迅速かつ正確に原因を究明できる。社内業務の適正さを証明することも可能だし、何よりも調査力向上を周知することによる、“内部不正に対する
検索サイト利用のきっかけ,男性は新聞・雑誌の記事、女性はテレビ番組 オプトとクロス・マーケティングは4月25日、検索サイトの利用状況に関する調査結果を発表した。それによると、よく利用されている検索サイトは「Yahoo!」(59%)と「Google」(25%)で、ユーザーは検索結果の平均4ページ目まで閲覧しているという。 検索結果画面で注目する場所は「検索結果」が最も多く、「Yahoo!」では60%、「Google」では80%。ただし、両サイトとも年齢が高いほどスポンサ・サイトへの注目度も高まる傾向にある。 検索結果に満足できなかった場合は、「キーワードを替えて再検索する」(46%)や「キーワードを追加して再検索する」(45%)といったキーワード操作が大半を占め、検索エンジンを替えたり、ポータル・サイトのカテゴリから検索しなおすユーザーは少なかった。 また、検索サイトを利用するきっか
顧客参加型マーケティングのつぼ、痛い目に遭った米GM 原文タイトル:Don't Let The Customers Drive 原文掲載サイト:www.forbes.com 著者名:Tom Van Riper 原文公開日時:2006年4月12日 マーケティングに年間13億ドルもの予算をつぎ込んでいる企業なら、自社が発信するメッセージを確実にコントロールしたいと望むのは当然のことだろう。 米General Motors(GM)のマーケティング費用は、北米向けだけでこれだけの金額に達する。同社は最近、SUV「Chevrolet Tahoe」の新しいキャンペーンで痛い目に遭った。「インタラクティブなマーケティングで消費者を引き付ける」という最新のトレンドに乗じて、TahoeのWebサイトで、消費者がオリジナルの広告を制作できるツールを提供した。ここで、SUVに批判的な人々によっ
『ネットは新聞を殺すのか?』&『新聞のなくなる日』(その1) ~100年守った新聞のビジネスモデルが壊れ始めた~ 東京財団特別研究員、元毎日新聞社取締役編集局長 歌川 令三 氏 時事通信社編集委員 湯川 鶴章 氏 インターネットやブログなどの普及によって誰もが容易に情報発信が可能になり、ジャーナリズムの牙城であった新聞が部数減少など大きな影響を受けている。 こうした中、経験豊かな二人のジャーナリストがインターネットによって新聞がどのように変容していくのか独自に調べ、刺激的な著書を刊行した。 時事通信社編集委員である湯川鶴章氏は『ネットは新聞を殺すのか 変貌するマスメディア』(NTT出版、共著)を著し、元毎日新聞社取締役編集局長の歌川令三氏(東京財団特別研究員)は『新聞がなくなる日』(草思社)を世に問うた。新聞はいったいどこに向かっていくのか、お二方に聞いた。
第23回 人間の目にCMスキップ機能が備わってきている! 経営コンサルタント 大前 研一氏 2006年4月5日 全面広告ほど覚えていないという事実 もう10数年ほど前のことだが、執務中にふとこんなことを考えたことがある。「あれ、今朝のニューヨークタイムズ紙で全面広告を出していたのはどの企業だったっけか?」。つい2~3時間前に目にしたはずなのに、どうしても思い出せない。もとより記憶力には人一倍自信のある私である。実際、その日の主なヘッドライン・ニュースなどははっきりと覚えているのだ。 にもかかわらず、ニュース記事の何倍もの紙幅を取っている全面広告が思い出せないとはいったいどういうわけなのか? そこで少々考えて、1つの結論にたどりついた。今ならこんなふうにいうのが妥当だと思う。「人間の目そのものがTiVo化したのだ」と。TiVoがうざったいCMを自動的にスキップするように、人間の目も無
第2回 これでいいのか? ブログ世界の理不尽な未成熟さ 政治アナリスト 花岡 信昭氏 2006年4月4日 ブログ社会の熱気を身をもって体験した筆者 民主党はやはり前原執行部総退陣、永田寿康氏の議員辞職という事態に追い込まれた。当たり前である。対応が1カ月遅れたために、この党は再生不能と思われるほどに凋落してしまった。7日に新代表が選出されるから、次号で改めて、民主党の現状と将来を考えてみたい。 そこで、やや目先を変えて、この1カ月ほど、ブログの世界で大騒ぎになった問題を紹介したい。おそらく、ブログを日常的にのぞく習慣のない人は知らないのではないか。一般のメディアでもまったく報じられなかったからだ。 総務省の予測によると、2007年3月末で、ブログの利用者は782万人、閲覧者は3455万人に達する見込みという。ネット社会の中軸たるべき存在となっているのだが、その実態たるや、きわめ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く