大手フェリー船社の川崎近海汽船(本社東京、石井繁礼社長)が10日、室蘭―宮古(岩手県宮古市)のフェリー航路(325キロ)開設方針を発表したことで、2011年(平成23年)の東日本大震災で被災した宮古市復興、両港の施設整備促進、物流の拡大などが見込まれる。室蘭発着航路の10年ぶりの復活となる18年(平成30年)春に向けて、両市の関係機関・企業の動きが具体化していく。 室蘭港発着のフェリー航路は、2008年11月末の室蘭―青森航路廃止でゼロに。以後、室蘭市はじめ室蘭商工会議所、室蘭港湾振興会などが首都圏、道内外で懸命の誘致活動を行ってきた。室蘭市は「航路が具体化したことで、民間のポートセールス、荷物確保が動き出す」と見通す。 一方、宮古港は11年の東日本大震災で港湾施設が被災した。翌12年に港湾管理者の岩手県が同港を含む4大重要港湾の復旧・復興に向けた機能分担計画を策定。宮古港はフェリー発着