【テヘラン=吉武祐】イランのアフマディネジャド大統領は11日、革命記念日式典で演説し、同国が新たに着手した研究炉用のウラン燃料製造について、濃縮度を20%に高めたウランの第1弾の製造に成功した、と明らかにした。 イラン政府の発表によると、同国中部ナタンズの濃縮施設で、遠心分離器164基が20%濃縮用に振り分けられ、9日に製造に着手した。大統領は11日の演説で「濃縮度20%のウランの最初の備蓄分が、原子力庁の研究者の手に渡った」と述べ、濃縮技術の進展を誇示した。 イランは、保有する低濃縮ウランと引き換えに、米仏ロの協力で研究炉用燃料の提供を受ける計画だったが、国際原子力機関(IAEA)を交えた関係国との交渉が難航。国際社会の懸念を無視し、自前での濃縮度20%のウラン燃料製造に踏み切っていた。