「“最後の巨大市場”アフリカに進出する」これってグローバルに事業を展開する大企業の話、だけではないんです。むしろ、いま大胆かつスピーディーにアフリカで事業を展開しようとしているのが、日本の中小企業です。アフリカ市場に挑戦する中小企業はすでに100社を超えました。日本国内の市場が縮小する中、リスクを背負ってでも新たなフロンティアを切り開く。その決断をした中小企業の奮闘ぶりに密着しました。(国際部記者 田村銀河) アフリカ南東部モザンビークの首都マプト。レンガを積み上げただけの簡素な住宅が建ち並び、でこぼこの土の道路には野菜や小物を売る露天商がひしめく。庶民の暮らしが息づく地区の一角に、その鮮魚店はあります。小学校の教室の半分くらいの広さの店内には、買い物客がひっきりなしに訪れていました。 冷凍庫の中に並ぶのは、ティラピアという魚です。くせのない白身が特徴で、「淡水のタイ」とも呼ばれる魚です。