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読み物と好きに関するcanakiのブックマーク (2)

  • 彼が私を憎んでいたころ - 傘をひらいて、空を

    のときは机を向かい合わせに移動させる。席順は成績の順で、だから彼の周囲は首位グループだった。ずいぶんと露骨なシステムで、でも十四歳の彼がそれを気にしたことはなかった。マキノ私立はどこ受けんの。彼の隣の高木が言う。高木は誰とでも話す。女子が相手だって平気だ。可愛くても、可愛くなくても。マキノはそのどちらでもない。陸上部で無愛想で長い丈夫な棒っきれみたいだった。 受けないよとマキノはこたえる。皿は隅々まで空いている。なんでと高木が訊くとマキノは牛乳を開封しながら、お金、ない、とこたえた。落ちたらどうすんの、と高木は訊く。どうしようとマキノは答えて牛乳を飲んでいる。彼は少しだけ彼女に対する印象を向上させる。高木が彼を見るので秘密と彼は言う。それから高木をなだめるために続ける。知ったらきっとびっくりするよ。だから待ってな。 高木と仲良くなったきっかけは「ダービー」だった。定期テストは教科ごとに

    彼が私を憎んでいたころ - 傘をひらいて、空を
  • 二重写しの視界 - 傘をひらいて、空を

    彼のあいさつを聞いて、堂々としている、と私は思った。とても、堂々としている、このひとはまるで、失敗したことがないみたいだ。 彼はずいぶんと名のある企業から、若いうちに裁量を与えられたくて転職してきたというのだった。いかにもさわやかな様子だったので、お酒の席で、久々のヒット、などという女性たちもいた。マキノさんはどう、と訊かれて私はあいまいに笑い、首を横に振った。どうしてと訊かれて、私は、はじらいのない 人は、なんだかいやだ、と思って、でも言えないから、だって、年下でしょう、とこたえた。いくつも変わらないじゃない、マキノさん古いんだから。そう言われて私はもう一度、あいまいに笑った。 ほどなく、彼に関する噂を聞かなくなった。みんなそれに飽きたのだ。でも私は飽きなかった。彼のたたずまいはどこか奇妙な余韻を感じさせた。それは決して快い感覚ではなかった。彼は相変わらず、ひどく堂々としていた。 彼は七

    二重写しの視界 - 傘をひらいて、空を
    canaki
    canaki 2013/04/06
    いい意味でぞっとした
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