2017年 アドベントカレンダー企画「AIの未来予測」の12/2分の記事です。寄稿してくださったのは中央大学の田口善弘さんです。 塩基配列=情報 1953年にワトソンとクリックは DNA が ATGC の4つ塩基の繰り返しからなる二重螺旋を構成していると提唱した。なんらかの繰り返しパターンが遺伝情報をコーディングしているだろう、という予想は、量子力学の提唱者の一人である物理学者、シュレディンガーによってなされていたが、正にその予想通りの構造が見出された。以来、この塩基にコーディングされた情報の実体を解明するために多くの労力が費やされてきた。 意味がわかろうがわかるまいが、とにかく DNA の全配列(=ゲノム)を読んでしまえ、という試みが2000年代に開始されて以来、その解読は急速に進み始めた。そして、ゲノム=デジタル・データという性質のゆえ、AI=統計学習・機械学習と結びついた時、自動運転