経団連指針に基づき、主要企業による大学4年生の採用選考活動が6月1日に解禁された。 一斉に面接や試験が始まり、すでに多くの学生が内定を得てきているという。しかし、内定を得ても学生は安心することはできないだろう。なぜなら、「ブラック企業」は、実際の労働条件を求人情報や企業説明会では説明せず、入社時や入社後に後出しするからだ。 実際に、私たちNPO法人POSSEに寄せられる労働相談には、そのような求人情報と実際の労働条件が異なるという「求人詐欺」のトラブルが後を絶たない。 最も多いトラブルは、固定残業代が絡んだ賃金に関する相違である。例えば、就職活動の過程では、「基本給22万円」などと説明されていたが、実際に入社すると、「基本給18万+◯◯手当4万円」でその手当が固定残業代であるというようなものが典型である。 このような賃金の相違に関わるトラブルは、行政への相談でも最も多い相談内容となっており