パフォーマンス・チューニングには、「こうすれば必ず上手くいく」という方法論や銀の弾丸はなく、地道に試行と計測を繰り返すしかない。 しかしだからこそ、基本的な考え方や仕組みを理解することが大切であり、それがなければ、どのように対処していけばいいのか見当をつけることすら出来ず、的外れな対応をすることにもなりかねない。 React.memoを使った処理の最適化は、React アプリのパフォーマンス改善のための、基本となるテクニックのひとつである。 この記事のコードは React のv16.10.2で動作確認している。 メモ化という概念 React アプリのパフォーマンス最適化を理解するためにはまず、メモ化(Memoization)という概念を把握しておく必要がある。 大雑把に言ってしまうとメモ化とは、何らかの計算によって得られた値を記録しておき、その値が再度必要になったときに、再計算することなく