もしかしたら単に、コダックの挑戦が大きすぎただけなのかもしれない。 「それは非常に難しい問題だ。これほど大きな溝を横切らなければならなかった企業は、ほかに見たことがない」。影響力のあるビジネス書『The Innovator’s Dilemma(邦題:イノベーションのジレンマ)』の著者、クレイトン・クレステンセン氏はこう言う。「現れたのがあまりにも根本的に異なる技術だったため、その挑戦に立ち向かうために古い技術を使う術がなかった」 コダックの失態は、米国のコンピューターメーカー、デジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)が、経営陣が心地良い椅子で居眠りしていたために、パソコンの重要性に気付かなかった時のようなものではなかった。むしろ「津波が来るのを目の当たりにして、何も打つ手がない」状態に近い、とクレステンセン氏は言う。 創造的破壊がもたらすもの 他の業界の支配的な企業は、それよ