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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (40)

  • 斉藤・中川編『人間行動から考える地震リスクのマネジメント』:住宅関連の地震リスク低減施策を行動経済学で実証的に考えたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    人間行動から考える地震リスクのマネジメント: 新しい社会制度を設計する 作者:誠, 齊藤,雅之, 中川勁草書房Amazon 題名を見て、例によって経済偏重の社会を見直せとかエコなナントカとか、その手のインチキじゃねえだろうなあ、とものすごく警戒していたが、至極まとも。 基的な問題意識は、特に住宅の建設・選択においてどうやって地震リスクをもっと考えた行動を人々にしてもらうか、というもの。耐震性の高い住宅を選んでもらうにはどうしたらいいかとか、それが地価に反映されるかとか、保険加入をどう促進するか、とか。で、その中で日住宅ローンの問題も建築士の問題も、中古マンション市場(またはそのあってなきがごとき実態)の問題も、マンション改修投資の問題も挙げている。最後には人的資の影響も見ている(この最後のだけ住宅から離れて他とちょっと焦点がずれるが)。 ここらへんをちゃんと実証的に検討しているの

    斉藤・中川編『人間行動から考える地震リスクのマネジメント』:住宅関連の地震リスク低減施策を行動経済学で実証的に考えたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2012/04/07
    「いつか地震のときはいいかもしれんが目先の安さにはかなわない、とか、保険入れと言っても皆つい先送りにしちゃうとか。それが実際にどう効いているかを実証で裏付けて、そこから政策的含意もちゃんと出している」
  • フエンテス『聖域』:神話構造を現代に重ねる習作。根底にあるナルシズムのためにいやな小説になっている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary フエンテス『聖域』(国書刊行会) は、メキシコの大作家フエンテスの習作。神話的な物語を現代に重ねて、大女優の母親にエディプス的に焦がれる自分を書いたものだが、最終的にその焦がれる対象が自分になるで、すべてがナルシズムでしかないことを露骨に示し、都合の悪いところは神話妄想でごまかすという、後のフエンテスのダメなところすべてが露呈している。 聖域 (1978年) (ラテンアメリカ文学叢書〈8〉) 作者:木村 栄一,C・フエンテスAmazon 最近出た「空気澄みわたる地」あとがきで「意味不明」と言われていたので、ずっと積ん読(冒頭の、ユリシーズは実はセイレーンの歌を聴いていなかった説まで読んだ)だったのを引っ張り出して読んでみた。 確かに意味不明と言われても仕方ない。が、自慢だけど、ぼくは結構、この小説の「意味」はわかるのだ。 が、『聖域』は意味がわかるとなお

    フエンテス『聖域』:神話構造を現代に重ねる習作。根底にあるナルシズムのためにいやな小説になっている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2012/03/13
    「人々がそこ(人間関係と出自とアイデンティティ)から逃れられない状況がくどく描かれる」「フエンテスの悩みは、実は自分がメキシコに属していないこと、閉塞されず、とらわれていないことだ。彼はとらわれたい」
  • 大田俊寛「オウム真理教の精神史」:オウムの「なぜ」を描き出した一冊で、学問としての社会的責務を宗教学者が真摯に考えた立派な本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義 作者: 大田俊寛出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2011/03メディア: 単行購入: 61人 クリック: 1,271回この商品を含むブログ (25件) を見る 先日、オウム関係者の死刑判決で、遺族は「なぜ」がわからず不満顔だったという報道について、ぼくはなぜなどと問うべきではない、どうせ答えなんか出ないんだから、という話を書いた。が、書はその「なぜ」をまがりなりにも分析して一応の答を出したであり、またオウム事件に対してこれまでまともな対応を見せてこなかった宗教学の学者が、そうした現状を真摯に反省して宗教学的な取り組みからオウムを切ってみせた点でもきわめてえらい。 読んでいて、まさに上で出てきたリアリー『神経政治学』(そしてぼくのあとがき!)が引用されていてびっくりしたんだが、オウムがどんな宗教・思想的な系譜につながるのかを明

    大田俊寛「オウム真理教の精神史」:オウムの「なぜ」を描き出した一冊で、学問としての社会的責務を宗教学者が真摯に考えた立派な本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2012/03/13
    「オウムがどんな宗教・思想的な系譜につながるのかを明確に述べ、その過程で現代社会における宗教の意味を位置づけ、オウムが決して偶発的なものではなく、ある必然性をもっていたことをきわめてすっきりと述べる」
  • ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』:組織内で苦しんだ人なら身につまされる、いろんな意味で絶望の名著。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (Nigensha Simultaneous World Issues) 作者:デイヴィッド ハルバースタム二玄社Amazon 読んだふりをしていたをこっそりきちんと読み直すキャンペーンの一環で、ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』を読んだ。大学生の頃に一度ぱらぱら見たんだけど、「ふふん、白人優位主義の無知で偏狭でプライドばかり高い米帝軍国主義の手先どもが、己の愚かさ故と歴史的必然故に自滅する話ね」と思ってあまりまじめに読まなかったし、いろいろこまごました人間の出自だの学歴だの職歴だのがひたすら並んでいて、いささかうんざりしたこともある。そして大学生だと「こいつらが自分の力関係だの地位だのばかり心配せずに、現場の情報をきちんと聞いて、己の信念にしたがって正義の発言をすればベトナム戦争なんか起きなかったんだろ」と気で思っていた。だから、あ

    ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』:組織内で苦しんだ人なら身につまされる、いろんな意味で絶望の名著。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2012/02/21
    「それ(少数派の意見の堅持)にしがみつくことで発言力を失うのと、「戦略的撤退」をして発言力は維持しつつ自分の意見を少しでも通す機会をうかがうのとどっちがいいか、という選択の苦しさもわかる」
  • 朝日新聞ってホントに北朝鮮&中国の手先かもしれないと思ってしまう記事。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    朝日の一面見て、卒倒しそうになった。ジョンイルくんが死んで、なんと金正男礼賛??!! 「自由人」? 「世界をよく知り」? 正男が? 国を預かる気になれないのは、単に遊んでたいからだけでしょ。さらにジョンイルが「拉致問題でも『主犯』の疑いがぬぐえなかった」??!! 疑いかよ! さらに金正恩の心中を思いやる??!! どうなってるの、この若宮啓文という人物は? こんなのが「主筆」の朝日新聞って何、と思ってしまう。ところで主筆ってなんだか知らないけど、一応えらいんでしょ? そもそも金正恩が三代目についたのは、ほかの国の政権交代とか王位継承とかとは同列に扱えないだろう。まずどう見ても、まともに状況わかってるとは思えない傀儡でしかない。北朝鮮の現状すべて把握して国を運営する気があるとは考えられない。それが何を考えようが関係ないでしょ。記事の前提からして変だわ。この北朝鮮(の親分一家)へのすり寄りかたっ

    朝日新聞ってホントに北朝鮮&中国の手先かもしれないと思ってしまう記事。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/12/23
    「朝日(主筆・若宮啓文)の一面見て、卒倒しそうになった。ジョンイルくんが死んで、なんと金正男礼賛??!!~さらにジョンイルが「拉致問題でも『主犯』の疑いがぬぐえなかった」??!! 疑いかよ!」
  • ケインズ「一般理論」山形浩生訳(部分):新しい、英語知ってる、原文に忠実。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ホント、みんなケインズの英語が名文すぎるとか実に難解だとかなんとかいうけど、ふつうだよ。当時の人の多くはああいう書き方したんだよ。マーシャルとか読んでごらんよ。みんな、自分の英語力がないのをごまかそうとして、わかりもしないのに美文だとか言ってるだけ。 すでに要約は一通りあげたけど、そんなに難しいと思わなかったし、普通に訳してみたよ。古くてうだうだしい感じを吸収するために、ですます調にしてみた。関係代名詞で長くだらだらつなげる文章は、遠慮なくぶった切った。でも、ケインズなんてこんなもんだよ。 ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 780kb) これまでの訳は、英語経済学もよくわかってないやつが、もったいつけてむずかしく訳そうとするから難しくなってただけの話なんだよ。 まあこの調子で全訳あげるかどうかもわからないけど(スミスとマルクスも途中なんだよなあ)……とい

    castle
    castle 2011/09/07
    「ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(11 章まで) (pdf 320kb)」http://cruel.org/econ/generaltheory/full/generaltheoryj.pdf
  • ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):まだ続きます。ほんっと、だれか指摘してあげなかったの?? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    雇用、利子および貨幣の一般理論〈下〉 (岩波文庫) 作者: ケインズ,John Maynard keynes,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/03/14メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 71回この商品を含むブログ (33件) を見る 前回の続きです。もう自分で訳するあいまに、「ここ難しいけどちゃんと訳せてるかな」と冷やかしに見るだけになっているけど、見るたびに何か出てきて時間を取られるのがいやー。 上巻p.132 についた注は 負の貯蓄 → 「正の貯蓄」の誤りであろう。(p.385) 原文と山形訳: When the rate of interest falls very low indeed, the increase in the ratio between an annuity purchasable for a given sum and the a

    ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):まだ続きます。ほんっと、だれか指摘してあげなかったの?? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/09/07
    「ケインズは、信頼性の危機がやってきたらみんな消費も投資もせずにお金をためこんでしまうので困る、だから過激な治療法としては、所得はすべて消費か投資に充てるよう義務づけることだ、というわけ」
  • 初歩から最先端の成果までを実に平易に説明、日本の研究水準紹介としても有益。あとは値段さえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    自己変革するDNA 作者: 太田邦史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/01/21メディア: 単行購入: 29人 クリック: 1,105回この商品を含むブログ (5件) を見る みすず書房で「画期的概念の創出へ」などと帯の背に書いてあるもんで、また例によってDNAのトンデモ解釈に変な現代思想をからめて悦に入ってるようなアホダラ経じゃねえだろうなあ、と警戒して読みはじめたが、まったくの杞憂。実にすばらしい。 DNAとは何か、という初歩の話を、ワトソン=クリックのエピソードもからめて楽しく説明、その後だんだん高度な内容にまで入る。DNA修復の話と時差ぼけ解消の日向ぼっこの関係、有性生殖の意義など、おもしろい話も(ちゃんとまじめな内容と関連づけて)満載。そして、その有性生殖の話を一つの核に、遺伝子の組み換えと、書のタイトルでもある自己変革につながるあたりは、面倒な話を当にわ

    初歩から最先端の成果までを実に平易に説明、日本の研究水準紹介としても有益。あとは値段さえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/07/03
    「有性生殖の話を一つの核に、遺伝子の組み換えと、本書のタイトルでもある自己変革につながるあたりは、面倒な話を本当にわかりやすく説明していて、見事の一言」「日本人研究者の各種の研究があちこちで言及され」
  • タイミングがあわずに採り上げられないのがとても残念。今後日本のインフラ更新や維持のためにすべきことを具体的にまとめたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機 作者: 根祐二出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2011/05/25メディア: 単行購入: 41人 クリック: 617回この商品を含むブログ (20件) を見る これはとてもよいだし重要なテーマを扱っているので、スペースやタイミング的な問題で採り上げられないのは残念。上下水道や学校その他、各種の公共インフラ(書では主に地方自治体負担分)がどんどん老朽化しており、改修更新が必要なものがどんどん増えている。そのための公共投資は莫大なものとなるので、いまから戦略的に考えておかないと大変、というもの。 その計算方法と今後の資金確保の方策などはきわめて具体的で現実的。高度成長期の想定で作られたインフラをそのまま維持することはできない。やはり人口減少に伴い、必要インフラが減ることを考え、優先順位をつけて経費を圧縮しつつ、インフラの廃止を考

    タイミングがあわずに採り上げられないのがとても残念。今後日本のインフラ更新や維持のためにすべきことを具体的にまとめたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/07/03
    「各種の公共インフラ(本書では主に地方自治体負担分)がどんどん老朽化しており、改修更新が必要なものがどんどん増えている。そのための公共投資は莫大なものとなるので、いまから戦略的に考えておかないと大変」
  • 金持ち、貧乏人、ブルガリア:やっぱりお金で幸せは買えます - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    (The rich, the poor and Bulgaria: Money really can buy you happiness) from: The Economist 2010/12/10, 翻訳 山形浩生 お金で幸せは買えないという発想は人気がある。特に、成長重視の自由市場経済がまちがっていると思うヨーロッパ人の間ではその気が強い。そういう人は、南カリフォルニア大学の経済学教授リチャード・イースタリンの研究を見て満足する。イースタリンは1970年代にデータをあれこれいじり、お金と幸福の間には弱い相関しかないことを指摘した。それぞれの国の中では、所得と満足度は密接に相関しているけれど、時系列的に、あるいは国同士で見ると、相関はほとんどないように見える。これは「イースタリンのパラドックス」として有名になった。イースタリン氏によれば、幸福は絶対所得ではなく相対所得に依存するという。

    金持ち、貧乏人、ブルガリア:やっぱりお金で幸せは買えます - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/05/31
    「幸せ・幸福・人生の満足度・福祉という似たような言葉の定義や訊き方次第で、結果はかなり左右されるらしい。だから何の話をしているかを確認し、どういう根拠をもとにしているかきちんと調べてものを言わないと」
  • 進化と言いつつ平等の適応条件を記述できていない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    平等論 作者: 寺嶋秀明出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2011/05/19メディア: 単行 クリック: 62回この商品を含むブログ (4件) を見る 平等を進化論的にとらえる! デネット『自由は進化する』みたいな広がりのあるかと思って、ものすごく期待して花○をつけたのだけれど、結果的にはとてもがっかりするだったのは残念。 冒頭部分では、平等の考え方をあれこれ羅列して、平等は定義できないという。でもその後、サルや狩猟採集民の話では平等があまり定義されないままに、著者の勝手な思い入れだけで話が進むという不満もある。猿山などでは、階級社会があって不平等でもあるが平等な者同士が毛繕いや遊びをすることで社会ができた、そして社会の進歩により人類は栄えた、よって平等は社会とともに進化したというんだけれど、それって定議論でしょ。そうした平等って、不平等がある中での相対的な話でしかない

    進化と言いつつ平等の適応条件を記述できていない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2011/05/31
    「進化というなら厳しい適応行動の検討がないとダメ」「仕方なく平等に甘んじるのと、全員がにらみ合いの結果として平等になっているのと、選択として平等になっているのと、同じように議論していいんだろうか」
  • サーヴィス『レーニン』(上) 岩波書店 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal

    レーニン (上) 作者: ロバート・サーヴィス,Robert Service,河合秀和出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/03/22メディア: ?行-精装購入: 4人 クリック: 262回この商品を含むブログ (2件) を見るレーニンについて、白井「「物質」の蜂起を目指して――レーニン、〈力〉の思想」など恣意的な解釈にばかり耽溺するようなが出てきたので、基的な全体像を抑えるべくレーニンに関するをいくつか読んだ。その中で最も標準的で歪曲のない、レーニンの優れていたところと欠点とをバランスよく記述した伝記。原著も、レーニン伝の定番として評価が高い。 社会主義屋にありがちな、レーニンは正しくて、社会主義の悪いところはすべてスターリンがレーニン思想をゆがめただけ、というような変な持ち上げ方もしておらず、一方でかれがその後の強制収容所国家のすべての元凶たる悪魔だといった書き方もし

    サーヴィス『レーニン』(上) 岩波書店 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal
    castle
    castle 2010/07/27
    「レーニンの優れていたところと欠点とをバランスよく記述した伝記」「レーニンの著作の稚拙さ、理論的な詰めの甘さ、そしてそれがゴーリキなどに見透かされていたこと、目先のセクト闘争への過度のこだわり」
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - それでも賃金水準は平均的な生産性で決まるんだよ。

    ガーナにでかけようとして成田空港でウェブにつないでみると、前回書いた物について池田信夫くんからご批判をいただいていた。ぼくの経済学は我流で付け焼き刃だから、ありゃまた失敗したかな、と冷や汗かきながら読んでみたんだが……困ったなあ、とぼくは機中でポリポリ頭をかいているのだ。だって、どこに文句があるのかよくわからないんだもの。 というのも、結局池田くんはぼくと同じことを言い換えているだけだからだ。物事にはいろんな要因があるので、その説明の順番はちがっているけれど、結局は同じことでしかないんだ。そして、池田くんの説明は、ぼくから見るとちょっとへたくそだ。というのも、明らかな循環論法に陥っちゃっているからだ。 同じことの言い換え まず、ぼくと池田くんが同じことを言っている、というのを示そう。池田くんはこう書いている。 コーヒーの価格は他の財・サービス(たとえばパン)との相対価格で決まるから、たとえ

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    castle
    castle 2007/02/14
    「そしてそれで賃金が決まるメカニズム、少なくともそれが賃金に反映されるメカニズムは確実に存在する。それは「相場感」ってやつだ」「西側並の生産性を実現したら、西側並みの賃金になっちゃうから心配するな」
  • ゴッドランドの経済学 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal

    年末から一月にかけてむちゃくちゃ忙しいので、また他人のふんどしに頼る。教育話の続きはまたおあずけ。今回もまたbewaad殿経由だけれど、一部でおもしろい議論が展開されているようだ。 http://bewaad.sakura.ne.jp/index.rb?date=20070202 生産性の高い人だけ集めたら、ものすごい生産力が実現できるとか、実はいまの世界に必要なものを作るには1/100の人手でいいはずだとか。楽しいな。ぼくも高校生くらいの頃に、よくそんなことを考えたものだ。 そしてそれは別にぼくが優秀だから思いつくわけじゃない。みんなそんな話を読んだことがあるはずだ。ある大きな災厄をきっかけとして、某特殊部隊の少佐が神に選ばれたものだけの王国――人呼んで神の国、ゴッドランドを作ろうとする、という話をたぶんどこかで見たことがあるだろう。堕落した無能な将軍どものいない、優秀で高潔な軍人だけの

    castle
    castle 2007/02/12
    「一パーセントに養われる存在に甘んじられるか、という問題設定はそもそもがナンセンスだ。社会は持ちつ持たれつ、支え合うことで成立している」比較優位の話。オートメーションとかサイバネティクス的な経済学だ。
  • 生産性の話の基礎 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    「ゴッドランドの経済学」で生産性の話を書いて、インドから戻ってきてみると反応がいろいろついてた。この連載はその意味で毎回楽しいね。もちろんそれが楽しいのは、読者のみなさんが有益で生産的な議論をいろいろ展開してくれるから……ではない。はてなブックマークにしてもトラックバックにしても、多くは単なるバカと無知の表明にすぎないものばかり。ぼくがまったく考えなかったような論点を指摘してくれるものなんてほとんどありゃしない。きみたち、ワタクシを震撼させるような議論ができないのかね!! ……って、できるわけがない。だってぼくが書いていることは経済学のほんの基礎の基礎で、考えられる反論や揚げ足取りはもう過去 100 年以上で出尽くしてるんだもん。でも、それはそれでありがたいのだ。というのも、何をぼくが説明しなきゃならないかがかなりよくわかるし、その説明内容がかなり基礎的なものでいいことが見えるからだ。 そ

    castle
    castle 2007/02/12
    「日本ならタイの女の子の 100 倍の媚びを売って、萌え度 100 倍、タイの女中喫茶なら平気なキモヲタくんが、アキバの女中喫茶だと店に入った瞬間に萌えオーラでいきなり射精とか?ねーよ」「賃金=その社会の平均」
  • 成長をなでる「盲」ってだぁれ? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    昨日(っつーか今朝だが)のエントリに、反論コメントみたいなものがついていた。 群盲成長をなでる きわめて初歩的だけれど、ありがちなかんちがいがいっぱい見受けられるので、コメントしておこう。先方のコメント欄に書いてあげたら長すぎるといってはねられたことでもあるし。 ここでは「いくら買うか」ということは問われても、「何を買うか」ということは 全く問われていない。 はい、問われていません。が、そもそも成長による追加の実入りがなければ、何一つ買うことはできない、という厳然たる事実がございます。だからこそ成長したほうがいいんです。 お金というのは質量=エネルギーのような保存量ではないにも関わらず、ミクロではあたかも保存するように扱われる。私があなたから100円で買ったら、あなたの財布はきっかり100円多く、そして私の財布はきっかり100円増えないと経済は成り立たない。しかし、マクロでこれが成り立つと

    castle
    castle 2006/11/04
    コメ蘭にメモろうとして挫折…orz とりあえず、妥協の産物であるところの金融的数値指標を操作する、高級官僚や専門家な人々の信頼性が、著しく失墜中の真っ只中にあるということが問題のような気が。ちがうか。
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 経済成長の意味。

    ここでのやりとりを見ていて思ったこと。 http://bewaad.com/20061103.html#p01 もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現になることも多い)口走る連中は、みんな衣足りているどころか飽している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そうとしたりすることはおそらくほとんどないということ。 が、それより重要なこととして、そうした人々の多くは想像力が欠如していること。経済成長ってことの意味がまったく理解できていない。 ぼくたちが経済成長するということは、別にぼくたちがお金を貯め込むということではない。たくさん生産して、その分たくさん買うようになるということだ。そしてその買う相手は日だけじゃない。アメリカやアジア、各種発展途上国もある

    山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 経済成長の意味。
    castle
    castle 2006/11/04
    「経済成長するということは、たくさん生産して、その分たくさん買うようになるということ」「GDP成長が 1%とか 2% とかきいたときに、その背後にある多くの人々の努力と知恵を思い浮かべなきゃいけない」
  • ハンガリー動乱記念日の大騒動 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    50年前に、ハンガリー動乱というのがあったのだった。もちろんぼくはリアルタイムでは知らないのだけれど、ハンガリーがソ連軍に刃向かって、ブダペスト市民が一斉に蜂起した事件であり、現地の人の表現では「ハンガリー革命」ということになる。 今年2006年の10月23日はその50周年にあたるので、かなり大規模なお祭り騒ぎが行われることとなっていた。22日には街の中心部のあちこちの道路が封鎖されて、パトカーに先導された諸外国のゲストたちがベンツで行き来していた。ぼくはちょうど、そんな状況だとはまったく知らずに、全然関係ない会議に出席するためにブダペストにきていたのだった。しきりにテレビや街角で行われる「ハンガリー革命がどうしたこうした」という演説や飾り付けを見て、同じ会議に出ていたクロアチアの人物は「何が革命だ、すぐに鎮圧されたくせに」とせせら笑ってはいたけれど、一方で会議の議長のイギリス人は当時のこ

    ハンガリー動乱記念日の大騒動 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    castle
    castle 2006/10/27
    「ハンガリー動乱のときの雰囲気が少しはわかった気がする。特に何か組織があったわけではなく、突発的にすべては起きたとのこと」「温泉につかった地元のおっさんたちが、昨晩の一件について激論をかわしていた」
  • マイクロファイナンスあれこれ:来世を借金のかたに取る - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal

    ノーベル平和賞をグラミン銀行とその親玉が受賞したとのこと。大変結構。おかげでぼくが昔書いたグラミン銀行に関する解説も、再び読まれているみたい。マイクロファイナンスやグラミン銀行に関する文書はそれなりにあるけれど、勝手な思いこみに基づいているだけのものも多いし、ましてぼくみたいに実際に訪問してインタビューした人間というのはそうそういないから、まあ精々勉強してくれたまえ。5年前の文章だけれど、まったく訂正の必要なく現在でも立派に通用するのはわれながら大したもんだ。 さてあの文章のポイントは、マイクロファイナンスといえども人の善意なんかに頼るのではなく、ちゃんと人が借金を返さざるを得ないような仕組みを作っているんだよ、ということだった。グラミン銀行の場合には、それは村落共同体における五人組の連帯保証システムだった。が、他にもやり方はあるのだ。要は、その人が失うと困るものをちゃんと押さえておけばい

    マイクロファイナンスあれこれ:来世を借金のかたに取る - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal
    castle
    castle 2006/10/19
    「マイクロファイナンスといえども人の善意なんかに頼るのではなく、ちゃんと人が借金を返さざるを得ないような仕組みを作っているんだよ」「要は、その人が失うと困るものをちゃんと押さえておけばいい」
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」- 世界の将来シナリオと企業戦略

    最近読んでとてもショックを受けたがある。一年以上前に出たで、いま読んだのには特に理由はなく、偶然会社の隣の丸善で見つけて手に取ったんだが、リアル書店も捨てたもんじゃない。こんな拾いものがあるとは! Shell Global Scenarios to 2025: The Future Business Environmenttrends, Trade-offs And Choices (Institute for International Economics Monograph Titles) (※サマリーが、ここからダウンロードできる。) こいつは、あの石油のシェルが、自社の長期的なビジネス戦略を立案するために、2025年までの世界の展開についての分析と予測を委託しただ。いったいシェルは、どういう世界認識のもとにビジネス戦略をたてればよいのか? 書はそれに対する答えとなる。 さて

    山形浩生 の「経済のトリセツ」- 世界の将来シナリオと企業戦略
    castle
    castle 2006/10/13
    「人々の(そしてコミュニティや国同士などの)信頼関係。それが何より世界を規定する」「世界(の人々)が重要視するものをすべて満足させることはできない」「重視するのは、効率性、安全保障、社会のまとまり」