涼宮ハルヒの消失 上映時間162分。あっと言う間と表現するには長する時間なのだが、実際に観てきた感想としてはホントにあっと言う間。ダレる事も間延びを感じさせる事もなく、一つの物語として十二分に満足させられる出来だった。 特筆して挙げられるのは物語への没入感。劇場版ともなると、モブと呼ばれる群衆にまで行き届いた作画が観る者を楽しませてくれるものだが、この作品はそれに留まらず、そのモブを意図的に際立たせる事で、誰もが体験してきただろう賑やかで楽しい学園生活から、一転して向けられる改変後の周囲の冷ややかな視線と、キョンの置かれた状況をとても分り易くまた効果的に演出してみせている。 些細な日常の違和感から現れた改変された世界。ただ一人残されてしまった孤独感と、そんな中で見つけた長門が残してくれたたった一つの手掛かり。ここまで来ると完全に感情移入させられてしまって、スクリーンからは目が離せなくなって