[ 1 2 3 ] ――●運転資本とは 企業は日常の事業活動において、取引先との関係で必ず何らかの資産や負債を抱えています。 小売業のような現金商売を除けば、売上はひとまず売掛金という債権のかたちをとります。また、そもそも販売に先立っては、製品や商品といった在庫を抱えておく必要があります。一方、仕入先に対しては、すべてが現金払いではないでしょうから、買掛金や未払金などの買入債務が発生します。 この、日常の事業活動の中で生じる資産・負債の純額を「運転資本」といいます。「流動資産の残高-流動負債の残高」というのが本来の定義ですが、それぞれの主要項目に着目して、一般に、 「売掛金・受取手形と在庫の合計から、買掛金・支払手形の残高を差し引いたもの」 と説明されることも多いようです(ネットの残高水準と捉えるより、売掛金や在庫、買掛金などの総称と考えた方が理解しやすいと思います)。 ――●運転資本の管
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「コーポレートファイナンスの意味」という語句をサーチエンジンで検索すると、「企業価値の最大化を図るうえで、いかに資金を調達し、投資すればよいかを金銭的側面から検討・実行する活動」という説明を見つけることができる。 国際財務報告基準(IFRS)が一般的に「資産・負債アプローチ」であると言われるのは、「IFRSフォーラム」読者諸氏にとってはもはや常識のようなものだろう。期末の資産と負債の構成の表示こそまさに投資と資金調達の「成績表」であるとする点で、IFRSは「コーポレートファイナンス会計」と言っても過言ではない。 そして企業価値の最大化を図るための資金調達と投資という原点に立ち返った際、期中の資産と負債の増減を示す利益項目、すなわち「包括利益」が重要であるといえるだろう。 本連載では包括利益の表示に関する実務上の諸問題に触れつつ、企業グループの価値の最大化のために欠かせない連結会計業務が包括
「コーポレートファイナンスの意味」という語句をサーチエンジンで検索すると、「企業価値の最大化を図るうえで、いかに資金を調達し、投資すればよいかを金銭的側面から検討・実行する活動」という説明を見つけることができる。 国際財務報告基準(IFRS)が一般的に「資産・負債アプローチ」であると言われるのは、「IFRSフォーラム」読者諸氏にとってはもはや常識のようなものだろう。期末の資産と負債の構成の表示こそまさに投資と資金調達の「成績表」であるとする点で、IFRSは「コーポレートファイナンス会計」と言っても過言ではない。 そして企業価値の最大化を図るための資金調達と投資という原点に立ち返った際、期中の資産と負債の増減を示す利益項目、すなわち「包括利益」が重要であるといえるだろう。 本連載では包括利益の表示に関する実務上の諸問題に触れつつ、企業グループの価値の最大化のために欠かせない連結会計業務が包括
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