ある時は古典を教える寺子屋のお師匠さん。ある時は米国公認ロルファー。またある時は、劇団の座長。さらには3DCGの本を書いたり、VR研究まで恐るべき“サードプレイス”を持つ摩訶(まか)不思議な能楽師、安田登さん。常に自分がそそられる世界を見つけては、自由自在にホッピングし続ける。まるで陽気な遊牧民みたいな安田式サードプレイス道には、迷える私たちが、ハラ落ちする珠玉のヒントがありました。 サードプレイスと三流のススメ まず「サードプレイス」の前に、僕が今、推進している「三流のススメ」についてのお話を少々。 人間には、一生一つのことを追い続けることが得意な人がいますよね。一流とは本来、一つのことをするという意味です。一流の人たちは、ファーストプレイス、またはセカンドプレイスとしての仕事を大事にし、どんな立場に追いやられても、「自分はこれが好きなんだ」と迷わずやり続けることができる。 一方、いろん