ふぇみん2010年2月25日号に掲載された映画評のご紹介です。ゴールデンウィーク公開予定。 「プレシャス」とは「宝物のような」という意味の英語。このミドルネームを持つ女の子が本作の主人公だが、皮肉にも彼女をめぐる現実はその意味とはまったく裏腹である。 舞台は1987年ニューヨーク、ハーレム。16歳のプレシャスのお腹には二人目の子どもがいる。子の父親はいずれも彼女の父親。実父にレイプされた娘を、母親は「あたしの男を寝取った」と責め立て、肉体的にも精神的にも虐待する。 黒人で、貧困で、読み書きができず、超太っちょのプレシャスは、高校でもいじめられ浮いている。どこにいてもひどい扱いを受ける彼女は、表面的には仏頂面で通し、ときに荒々しく抵抗する。 そして、残酷な現実から逃避するかのように、美しく着飾って注目される空想の自分をイメージする。空想の自分は自信に満ちあふれ、人々に愛されている。だが現実に
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