【概要】 今日の日本の研究者社会では、常勤(任期なしポスト)と非常勤(任期付ポスト)の待遇の差が大きすぎることが原因となり、 研究力を持つ若手が参入しなくなったり、ポストをめぐる過度の競争のために生産性が削がれてしまっているなどの問題が生じています。この状況を解決するため、最低限の給与や身分の安定が保証されると同時に競争性も担保する新たな「日本版テニュアトラック制度」を提案します。以下にその概要を示します。 ・安定した身分とアドオン給与:日本版テニュアトラック制度(案)では、安定した身分である「任期なし常勤ポジション」に就くことが可能。基本給として一定の報酬や社会保険等が保証されている。それに加え、研究の業績・評価や、教育コマ数、各種大学業務などに連動したアドオン給与が設定されることで、競争性も担保される(図1)。 ・余程のことがない限りテニュアが取得可能:この制度では、博士号取得後、テニ