三十年強の長きにわたるネグリ思想の一大集積。共和制の問題、社会的賃金の問題、国家の枠組みを超克する「構成的権力」の諸問題等々、また「マルチチュード」「非物質的労働」等々の論点など、後に『〈帝国〉』や『マルチチュード』で展開されることになる基本的な問題設定・論点のすべてがすでに本書で提示されており、現在のネグリのスプリングボードともいえる最重要な著作である。「『〈帝国〉』、『マルチチュード』を『資本論』に喩えるとすれば、本書はその二冊に対する『経済学批判要綱』をはじめとした草稿群と位置づけることができる」(訳者あとがきより) I 第一章 批判としてのコミュニズム 恐竜/コミュニズム/労働/主体/ポストモダン/さまざまなマルクス主義/道程 - 経路 第二章 ケインズと国家の資本主義的理論 近代国家の時期区分――基本的契機としての一九二九年/ケインズと一九一七―二九年という時代――十月革命と資本