新日本製鉄と住友金属工業の合併方針により、両社と資本提携を結んでいる神戸製鋼所の動向が注目される。 3社は02年から、JFEホールディングスに対抗する形で、提携を本格化させてきた。住金の友野社長は会見で、3社での合併に発展する可能性については「コメントは差し控えたい」と口を閉ざした。 神戸製鋼のある幹部は「新日鉄と住金は、規模を追求するために合併を決断したようだが、うちは規模を追求するスタンスではない。現段階では、両社の合併に加わる予定はない」とする。だが、このままでは神戸製鋼だけが業界再編から取り残される形になる。このため今後の対応について「将来も規模を追わなくていいかどうかは分からない」と幹部は含みを持たせる。 ある外資系アナリストは「神戸製鋼は建機事業が経常利益の3割強を稼ぎ出す構造で、鉄鋼会社以外に建機メーカーという顔もある。他の鉄鋼会社とはやや事情が異なる面もある」と分析する。【