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ブックマーク / sportsnavi.yahoo.co.jp (114)

  • 甲府のコンディショニングが生んだ脅威の“3パーセント” - スポーツナビ

    2012年のJ2リーグで24戦無敗の記録を打ち立て、優勝を決めたヴァンフォーレ甲府。2位の湘南ベルマーレに勝ち点差11をつけての独走優勝だった。ヴァンフォーレにはJ2得点王のダヴィがいたとはいえ、ほかのクラブと比較して、戦力的に飛び抜けていたわけではない。そんなチームがなぜ、圧倒的に勝利を積み重ねることができたのだろうか。その疑問を解くひとつのカギは“コンディショニング”にあった。 今季開幕前、新監督の城福浩とフィジカル・コンディショニングコーチの谷真一郎との間で、新体制下のチーム作りにおいて、極めて重要な会話が交わされた。 城福が谷に聞いた。「どんな感じで、選手のコンディショニングを作りたい?」7歳上の新指揮官に聞かれた谷は、こう答えた。「サッカーをすることで、サッカーをうまくしていきましょう」 サッカーをすることで、サッカーをうまくする……。禅問答(ぜんもんどう)のような表現の

  • 4部リーグに魔法をかけて戦うレンジャーズ - スポーツナビ

    キックオフは2時間半後。グラスゴーを回る地下鉄はまだ空いていた。レンジャーズの若いサポーターたちがビールを飲んでいたが、ひとりの男が指をなめながらべるハンバーガーの油の嫌な匂いがポップの香りに勝って車内に充満した。アイブロックスの駅に着くと、彼は手際良くネクタイを締め『STEWARD』と刺繍(ししゅう)が入ったジャンパーを羽織って、席を立ちながらもう1度指をなめた。 改札口を出るとフットボールの場の景色が広がっていた。屋台、ファストフード店、バー、ブックメーカーが並ぶ道があり、レッカー移動車が容赦なく路上駐車の車を運ぼうとしていた。プログラムの売り子、マフラーやピンバッチを売る露店は案外暇そうだったが、試合前のエネルギーをしこたまため込もうとするサポーターが集まるバーはものすごい活況だった。 ビールを飲みながら、彼らは談笑したり、大型スクリーンに映る過去の試合を見たりしていた。レン

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    chiko 2012/12/12
  • スポーツナビ | サッカー|ニュース|ポポヴィッチ監督の志向が結実しつつあるF東京

    J1・FC東京の今季はスタートダッシュに成功し、リーグ序盤は順調に勝ち星を積み上げていた。新指揮官が“チェンジ”と位置づけた今シーズンは明るく照らされているように思われた。しかし、リーグ中盤から後半戦にかけて大きな試練に直面した。夏場に入ると、主力選手が相次いでけがで離脱。トレーニングの強度も上げられず、練習内容も限られた中で行ってきた。システム変更などで何とかやり繰りしたものの、その代償は大きかった。終盤戦に入って負傷者は復帰したが、連係不足によって肝心のゴールを奪う形が不透明な試合が続いた。 しかし、ここにきてようやくF東京のランコ・ポポヴィッチ監督が今シーズン、トレーニング中に何度かプレーを止めて実演してきた形がピッチで表現された。前節ガンバ大阪戦の前半21分に、奪った得点がまさにそれだった。右サイドで徳永悠平がマイボールにすると、そこから約1分20秒間、F東京の選手の足元をボール

  • 失われつつある鹿島の伝統的な日常 - スポーツナビ

    J1残留を決め喜ぶ鹿島の選手たち。終盤まで降格の危機にさらされた初めてのシーズンとなってしまった【Getty Images】 左コーナーに立った名古屋グランパスの田口泰士が、鋭いボールをニアサイドに蹴り込んだ。そこに走り込む田中マルクス闘莉王。2つのベクトルがピタリと合致する、そう思われた瞬間、背後から忍び寄った鹿島アントラーズの岩政大樹が闘莉王を押しのけるように跳び上がり、渾身のヘディングではじき返した。 名古屋の最後のチャンスがついえたことを見届けた廣瀬格主審が、ホイッスルを吹き鳴らす。それを聞いた岩政がほえながらガッツポーズを繰り返し、新井場徹と曽ヶ端準はガッチリと肩を抱き合った。他会場の結果を知っていた昌子源が「残留決定」を知らせてまわると、アドレナリンが出続けていた選手にも柔和な表情が戻り、ベンチだけでなくピッチにも安堵(あんど)感が広まっていった。 「味わったことがないプレ

  • 安定したクラブ経営を目指して - スポーツナビ

    入場券販売とスポンサーからの支援が収入の柱となっているプロサッカー。Jリーグはクラブ経営の問題に常に頭を悩ませてきた【Jリーグフォト(株)】 スタート時の10クラブから、わずか20年で40クラブに増えたJリーグ。しかしその20年間は、日の経済にとって未曾有の長期的不況と重なっていた。 プロサッカーは入場券販売とスポンサーからの支援が収入の二柱だ。その柱のひとつがぐらつけば、クラブは即座に存在の危機に立つ。サッカーファンや少年少女の夢を運ぶ存在であるはずのプロサッカーリーグ。その担い手であるそれぞれのクラブの経営をいかに安定したものにできるか――。それはこの20年間、とくにここ10年間、常にJリーグを悩ませてきた問題だった。 Jリーグの初代事務局長、広報室長、理事、常務理事などの立場で2012年3月までリーグ運営に当たってきた佐々木一樹さんに聞く「Jリーグ20年の裏面史」第7回は「安

  • 若き指揮官と若きチームの幸福な邂逅 - スポーツナビ

    「今週は(選手たちに)ほぼ気持ちのことばかりを言い続けました。サッカー以外の映像を使ってモチベーションを上げたり、いいトレーニングをした結果、いい成果を出すことができました。(どんな映像だったのか)詳しいことは言えませんが、今のチームには最善を尽くすことが必要だったので、モチベーションを上げるための映像を使いました」 「(アンカーで起用した宮沢正史の評価について)今日は攻撃の起点になり、彼の良さが出た試合だったと思います。最近は出場機会がなかったので、個別に呼んで話をしました。この年齢(34歳)で、しかもキャプテンなのに試合に出られないのは悔しいと思う。それでも今後の人生に生きるから、(今の状況を)絶対に無駄にするなと。そして(試合に)出たときには、その思いを爆発させてくれと言いました」 いずれもJ2リーグ第40節、アビスパ福岡戦後の会見での大分トリニータ監督、田坂和昭のコメントである

  • “小さな”日本人がドイツで活躍する理由 - スポーツナビ

    ブンデスリーガの日人ブームの礎を築いた長谷部。彼に代表される“考える力”は日人の大きな強みだ【写真:なかしまだいすけ/アフロ】 今や、ドイツ・ブンデスリーガにおける日人選手の活躍は枚挙に暇がない。来、大男揃いと認識されていた、かの舞台で日人が躍動できるのはなぜなのか? ドイツのカルチャーに挑むサムライたちの特長に迫った。 ■ブンデスリーガで必要とされる日人選手 ブンデスリーガの大男たちの中で戦うと、日人はひときわ小さく見える。先日は、王者ドルトムントを相手に乾貴士が人生初となるヘディングシュートを決めたことで、ドイツメディアは乾の実際の身長は何センチなのかを測っていた。これはドイツ人が日人をどのように見ているのかを表す、典型的な例だろう。つまり、ドイツ人の目には、日人は小さい選手だという認識があるのだ。 では、体の大きな選手の多いブンデスリーガで通用するかしないのかの分

  • 昇格4年目の地方クラブを支えるもの<後編> - スポーツナビ

    岡山駅から車で40分ほどの場所に建設された練習場。天然芝2面、人工芝1面、クラブハウスもある【宇都宮徹壱】 湘南ベルマーレ戦から一夜明けた9月18日、私は来シーズンにオープンするファジアーノ岡山のトレーニング施設を見学する機会を得た。14時、岡山駅前の桃太郎像の前で待ち合わせて、岡山サポーターが運転する車に乗せてもらう。前日、取材を兼ねてサポーター有志とオフ会をしていたとき、新設される練習場アクセスについて尋ねてみたところ「車でないと、とてもじゃないけど無理です」と言われ、平日にもかかわらず車を用意してくれることになった。同行いただいた皆さんには、この場を借りて御礼申し上げたい。 私たちを乗せた車は、桃太郎通りから岡山城をかすめて柳川の交差点から国道53号線に入り、さらに旭川を越えて県道45号線を南下。道を進むにつれて、だんだん風景は寂しくなってゆく。やがてフロントガラス越しに海が見えて

  • 世界をさすらったフットボーラーの軌跡<前編> - スポーツナビ

    日本代表MF広山望は、96年のジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)入りを皮切りに、パラグアイのセロ・ポルテーニョ、ブラジルのスポルチ・レシフェ、ポルトガルのスポルティング・ブラガ、フランスのモンペリエと世界を行脚し、2004年にJリーグに復帰した後は東京ヴェルディ、セレッソ大阪、ザスパ草津でプレーした。2010年末に戦力外通告を受けた30代のベテランが、現役最後の戦いの場所として選んだのが、米国独立リーグのユナイテッドサッカーリーグ(USL)に属するリッチモンド・キッカーズだった。2011年4月に米国に渡り、2シーズンを過ごした広山は、2012年8月末、17年間のキャリアに終止符を打つことを決断し引退を正式発表した。 そんな広山が先ごろ帰国し、単独インタビューに応じてくれた。たぐいまれな国際経験を積み重ねてきた“さすらいのフットボーラー”が自らの現役生活を振り返るとともに

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    chiko 2012/10/04
  • 予期せぬクルピとの邂逅にも輝く柿谷の才能 - スポーツナビ

    ゴールを決め、祝福される柿谷(中央)。清武、キム・ボギョンが去ったC大阪の攻撃陣をけん引している【写真は共同】 9月29日に行われたJ1第27節のヴィッセル神戸戦。セレッソ大阪は退場者を出し、1人少ない状況の中で、3−2と逆転勝ちを収めた。J1残留へ向け、貴重な勝ち点3を獲得している。その試合で、ゴール前へ絶妙なクロスを上げ、2−2となるシンプリシオの同点弾をアシストしたのが柿谷曜一朗だった。第26節の清水エスパルス戦では、C大阪のJ1ホーム通算400ゴールも決めるなど、毎試合必ず1度以上は決定的な仕事をする働きぶりで、ピッチ内で輝きを放っている。 2年半ぶりに復帰した古巣・C大阪で、柿谷がどのようなプレーを見せるのか。今季のJリーグ全体を見渡しても、それは注目点の1つだった。結果から言えば、現在、J1第27節までに8得点。レギュラーに定着した第14節からの14試合で7得点を挙げ、2試合

  • 就任1年目の栗山監督が好成績を残す理由 - スポーツナビ

    就任1年目の栗山英樹監督が率いる北海道ハムが、パ・リーグの優勝争いをリードしている。絶対的エースのダルビッシュ有(レンジャーズ)が米大リーグに移籍し、田中賢介やケッペル、スレッジは故障で今季絶望。戦力的に厳しい状況で、コーチ経験がなかった栗山監督がなぜ好成績を残すことができるのか? テレビ朝日でともに野球解説を担当した大塚光二氏に話を聞いた。 ■「やり切る強さ」がある栗山監督 4番起用に応えた中田翔 ――栗山監督の指揮官としての特徴は? 監督として自分の色を出すことよりも、とにかく選手を信じています。信じて、信じて、信じ抜いて、選手がやりやすいように、委縮しないようにしています。そのことについて話したんですが、「それしかないでしょ」と笑顔で言っていました。 栗山さんは「優しい」とか「さわやか」というイメージですが、頑固な部分もあって自分が決めたことをやり切る強さがあります。監督とし

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    chiko 2012/09/24
  • Jリーグ最大の「事件」 社会問題となったフリューゲルス - スポーツナビ

    1997年ファーストステージ、横浜フリューゲルスのスターティングメンバー。ブラジル代表のジーニョ(10)、サンパイオ(8)を擁した【Jリーグフォト(株)】 横浜フリューゲルスは、日サッカーリーグ時代から「全日空」にゼネコンの佐藤工業が共同出資するという形でスタートしたクラブ。当初は「AS(ANAとSATO)フリューゲルス」と称していたが、93年にはJリーグの呼称ルール(地域名と愛称)に従って「横浜フリューゲルス」と呼ばれるようになっていた。 日全国をカバーする航空会社である全日空が母体となっていることもあり、神奈川県の横浜市をホームタウンとしながらも、鹿児島、熊、長崎という九州の3県も「特別活動地域」として認められるという特殊な形でスタート。だが、結果的にはそれがクラブ経営を苦しくさせる要因のひとつとなった。 「横浜市にはマリノスがあり、サッカーというとマリノスというイメージが定

  • 新たな攻撃サッカーの創始者となるのは誰か? - スポーツナビ

    クロップ監督(写真)は攻撃における独自の練習法を確立し、ブンデスリーガ2連覇を果たした【Bongarts/Getty Images】 今、ヨーロッパのサッカーは確実に“アタッキング志向”に傾倒しつつある。 1980年代後半にミランで名声を得たアリーゴ・サッキがゾーンプレスを発明して以降、相手から「どうボールを奪うか」にエネルギーが注がれ、守備こそが勝利への近道だと信じられてきた。 だがバルセロナが、その“守備神話”を打ち砕いた。ヨハン・クライフの哲学をもとに育成に取り組み続け、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシという新時代のフットボーラーを生み出し、ここ数年間で3度もチャンピオンズリーグ(CL)のタイトル(2006年、09年、11年)を手にしている。今や守備だけでは勝てないことがヨーロッパサッカーの共通認識となり、サッカー大国のビッグクラブはよほどの事情がな

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    chiko 2012/09/19
  • ポップなヤングなでしこ、なぜ楽しいのか - スポーツナビ

    ヤングなでしこの原点は仕掛ける意識にある。吉田監督の方針の下、個々が最大限に力を発揮することを目指す【写真は共同】 日で開催中のU−20女子ワールドカップ(W杯)は、8月27日にグループリーグを終え、ベスト8が出そろった。U−20日女子代表(ヤングなでしこ)は、メキシコに4−1、ニュージーランドに2−2、スイスに4−0とし、2勝1引き分けでグループAを1位通過した。 ヤングなでしこの注目度は、試合を重ねるにつれて高まっている。ロンドン五輪でのなでしこジャパンの戦いぶりが、一瞬も気を抜けないスリルとサスペンスに満ちた物語だったのに対し、今大会でおそらく多くの人が初めて目にしたヤングなでしこは、よりポップで、ジュブナイル(少女)的で、ワクワクできる楽しみを観戦者に与えている印象だ。 ヤングなでしこは、なぜ楽しいのか――。その理由は、彼女たちのプレーの原点に、「一人ひとりが仕掛ける」意識

  • ワンサイドゲームの背景にあるもの=天皇杯漫遊記2012 - スポーツナビ

    ワンサイドゲームの背景にあるもの=天皇杯漫遊記2012 (1/2) 1回戦 山梨学院大学オリオンズ 0−10 福島ユナイテッドFC U−20女子ワールドカップ(W杯)がいよいよ佳境に入り、A代表もイラク戦に向けたメンバー発表が行われ、そしてJリーグでの熱戦が繰り広げられる9月1日、第92回天皇杯全日サッカー選手権大会がひっそりと始まった。天皇杯の魅力のエッセンスは、実は都道府県代表同士が対戦する1回戦にあると考えている私としては、毎年この日をどこで迎えるのか非常に楽しみにしている。 さて、今年は迷うことなく山梨・中銀スタジアムで行われる、山梨学院大学オリオンズ(山梨代表)対福島ユナイテッドFC(福島代表)を取材することにした。その日の夜に、松市で新著『松山雅劇場』(カンゼン)の販促イベントがあり、松に向かう途中の甲府で途中下車すれば、すぐに会場にアクセスできると考えたからだ。それ

  • スポーツナビ | サッカー|ニュース|ザックジャパン、10月にフランス&ブラジルとの対戦が決定

    10月に欧州遠征を予定しているサッカー日本代表の対戦相手が、フランス代表とブラジル代表に決定した。フランスとの対戦はすでに1月の時点で発表されていたが、今回は新たに2014年のワールドカップを開催するブラジルとの対戦も決まった。フランスとは現地時間10月12日にパリのスタッド・ド・フランス(日時間翌13日4時キックオフ)で、ブラジルとは10月16日にポーランドのヴロツワフ(日時間同日21時キックオフで調整中)で顔を合わせる。 フランスとは過去5戦して1分け4敗、ブラジルとは8戦して2分け6敗と日は勝ったことがない。欧州での対戦となるだけに、両チームともに主力選手が出場することが濃厚。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は「このような強い相手と2試合戦えること、そして世界との距離を測ることができる機会を得て、とてもうれしく思っている。日本代表が更なる成長をする格好の機会ととらえてい

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    chiko 2012/08/31
  • スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|集客ワーストからの脱却はなぜ実現したか?(前篇)(1/2)

    1−0で迎えた前半39分、鈴木隆行が鋭くえぐるようなドリブルでボックス内に侵入する。たまらずに相手DFがファウルで倒してしまい、水戸ホーリーホックにPKのチャンスが与えられる。鈴木はこれを落ち着いて決め、ケーズデンキスタジアム水戸のスタンドが歓声で沸き立った。しかし喜びもつかの間、アウエーの京都サンガFCは、すぐさま久保裕也のゴールで1点差に詰め寄る。6月24日に行われた、J2第21節、水戸対京都の試合は、予想外にスリリングなゲーム展開となった。 水戸は後半2分にもPKを得て、これを橋晃司がきっちり枠に収めて3−1。結局これがファイナルスコアとなった。ホームで勝ち点3を積み上げたものの、水戸の順位は11位と変わらず。それでも6月2日以来4試合ぶりとなる勝利を、非常に相性の悪い京都相手から挙げたのだ(これまでの対戦成績は水戸の2勝5分け12敗)。水戸サポーターにとっては、試合内容も結果も

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    chiko 2012/08/01
  • スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|大きな夢に向かって踏み出した第一歩(1/2)

    1992年11月23日 国立競技場で行われた1992Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝(ヴェルディ川崎vs.清水エスパルス)は、56,000人の大観衆の中で行われた【写真:アフロスポーツ】 1992年9月に開幕したJリーグ最初の公式戦、ヤマザキナビスコカップは、節を追うごとに注目を集めていった。この年に初の外国籍監督、初のプロ監督として就任したハンス・オフト(オランダ)の下で急成長した日本代表の活躍も相まって未曾有のサッカー・ブームが訪れ、1993年5月のJリーグ・スタートに国民的な関心が集まることになる。 Jリーグの初代事務局長、広報室長、理事、常務理事などの立場で2012年3月までリーグ運営に当たってきた佐々木一樹さんに聞く「Jリーグ20年の裏面史」第3回は、嵐のような騒ぎのなかでたどり着いたJリーグ開幕までの裏話をお届けする。 ■1試合平均9435人を集めたナビスコカップ 1992

  • スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|川崎とF・ニッポンのありえないコラボ(1/3)

    甲高いエンジン音を響かせてフォーミュラカーが疾走する。それを見守る18000人あまりの観客はその迫力と非日常的な光景に目を輝かせた。6月30日に行われたJ1第16節、川崎フロンターレvs.ヴィッセル神戸の試合直前。等々力陸上競技場のトラックでの出来事だった。 日サッカー界の頂点に位置するJ1リーグ所属の川崎フロンターレと、日のレース界最高峰のフォーミュラ・ニッポンとのありえないコラボレーションを実現させたのは、川崎が誇るプロモーション部の2人。1人はJリーグ界屈指のアイディアマンとして知られる天野春果氏と、その片腕として数々のイベントを取り仕切ってきた恋塚唯氏である。 「きっかけは、天野とサーキットを運営する会社の担当者さんとの話でした。その後、私がこの案件を任されることになり、1月の中旬から打ち合わせを始めました。2月10日には実際に担当の方とお会いして、そこからフォーミュラ・ニ

  • スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|西野監督の下で急速な進歩を遂げる神戸(1/2)

    第17節を終えて勝ち点24の12位という結果は、今季の目標を「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得」としているヴィッセル神戸としては物足りないものである。降格圏から遠いわけでもなく、結果だけを見れば批判を受けてもおかしくない状況だ。しかし、今の神戸がサポーターからクレームばかりを受けているかというと、そうではない。彼らがチームを温かく見守ることができているのは、前半戦のうちに監督交代をしたチームでありながらも、ここのところピッチで表現しているサッカーがほんの2カ月前にしていたものとは違ってきており、確実に成長を遂げていることを感じられるものだからだろう。 今季の神戸は、野沢拓也、田代有三、伊野波雅彦、橋英郎、高木和道といった日本代表経験のある選手を獲得し、大きな飛躍が期待されてスタートしたにも関わらず、すぐに期待に応えることができなかった。リーグでは開幕からガンバ大阪、コンサ