国産ワクチン開発の先頭を走る「アンジェス」 一方、国産ワクチンの重要性についても再認識されている。国内開発の先頭を走るアンジェス創業者の森下竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座教授)は「ワクチンは国防」だと語る。 「ワクチンは戦略物資です。日本政府は交渉下手。国産ワクチンがうまくいけばいくほど、政府が海外からワクチンを買う時の条件が良くなる。もしも国内で1億人分確保できれば、海外ワクチンはたたき売り状態になる」 DNAワクチンを世界最速20日間で開発したというアンジェスは、6月末から第1/2相臨床試験(治験)を始め、7月末の時点ですでに30人に対するワクチン接種を終えていた。 森下竜一氏 ワクチン接種でも再感染の可能性 だが、これからのフェーズにおいては日本ならではの壁もある。たとえば、治験の第3相試験において有効性を見極めるためにはある程度の感染が蔓延し続けることが