日本映画を支えている多くのフリーランスのスタッフらが劣悪な労働環境を強いられたり、ハラスメントを受けたりすることを防ぎ、映画産業が持続的に発展していくために今年4月にスタートした一般社団法人「日本映画適正化機構(映適)」(昨年6月発足)の認定制度。はたして映画制作現場はどのように変化しているのか。現場のスタッフたちが現状と課題について話し合うシンポジウムが30日、東京都内で開かれた。シンポジウムの終盤、会場の後方の席に座って、会議の模様をじっとみつめていた黒服にマスク姿の男性がマイクを握って、発言し始めた。「俳優部の斎藤工です」――。 認定制度は、今年3月、東宝や東映など大手4社でつくる「日本映画製作者連盟(映連)」、独立系プロダクションで構成する「日本映画製作者協会」、監督や撮影、シナリオ、編集など八つの映画職能団体が協約に調印したことで本格的に始まった。 具体的には、映画製作者と制作会