顧客がベンダーやITエンジニアを見る目は,年々厳しくなっている。最新技術を追いかける根性や,徹夜してでも納期を守る体力だけでは,もはや評価してもらえない。「注文通りのシステムを作ればよい」というエンジニアは,消え行くのみだ。 介護用品の販売・リースを手がけるA社は2003年11月,新・販売管理システムの導入に踏み切った。ここ数年で問い合わせや受注が激増し,従来のシステムではさばききれなくなったことがきっかけである。同社はこれまで,商品への問合せや見積作成,在庫確認,成約といった一連の受注業務を,それぞれ異なるソフトを使って個別に処理していた。このため,顧客からの見積依頼から成約処理までに1週間近くかかることが珍しくなかった。二重,三重入力作業が発生するためミスも起きやすく,顧客からクレームを受ける原因になっていた。 そこでA社は,受注関連業務を一元的に管理できる新システムの導入を決断。さっ