これは一種の備忘録であり、すでに忘れかけている出来事についてまとめたものである。 ほかの人々もこのような生き方をしてきたのかを知りたいが、わたしの周りの人間にはとても恐ろしくて聞くことができない。 そのため、このように匿名で、画面の向こう側のあなたに向けて発信する。 わたしは、幼少期の記憶がない。 具体的に言うと小学校4年生までの思い出が一切ない。 4年生までは海が近くにある田舎に住んでいた。学校は、なぜか山の上にあったので、頂上まで続く階段を毎日登り続けていた記憶はある。 わたしが覚えていないことは、わたしにまつわる人間関係であったり、日常でわたしがどのように過ごしていたのかだ。どんな友達がいて、わたしはどんな性格で、学校ではどのような役割を担っていたのか。また、自宅では家族とどのような会話をして、なにを考えて生きていたのか全く思い出せない。 これは誰しも皆、思い出せないものなのだろうか