たとえば、カナダのブリティッシュ・コロンビア州には「普通学級」が存在していないという(国民教育文化総合研究所編『分けないから普通学級のない学校』アドバンテージサーバー、2014年を参照)。なぜなら、日本のような「特別な」学級がないからである。「特別」がないのだから「普通」もないというわけである。同州では1970年代に教員から分離教育は役に立たないとの問題提起がなされ、80年代を通して特別な学校や学級が閉鎖されていったのである。今日では障害のある子どもたちは普通学級に在籍している。当然、保護者の意思を尊重し、それぞれの子どもの状況に応じた対応がなされる。しかし、それは分けていくためではなく、一緒に生きていくことを実現させるためのものでもある。障害者権利条約では、これを「合理的配慮」と呼んでいる。日本の障害者差別解消法でも同様の規定がある。 (池田賢市『学びの本質を解きほぐす』新泉社、2021

