国産初のジェット旅客機を目指す三菱航空機の「スペースジェット」は、新型コロナウイルスで航空業界が大打撃を受けたことで、開発を一時中断している。今後の事業の継続性について、親会社・三菱重工業の泉沢清次社長は5月10日、同社の21年3月期決算の記者会見で「事業環境と市場性などを複合的に見てやっていく。市場環境は非常に厳しいので、よく見極めながら進めていく」と苦しい胸の内を明らかにした。 航空需要はコロナ前の半分以下 航空業界は依然として厳しい環境にある。国際航空運送協会(IATA)が4月に発表した2021年の世界の航空需要予測は、新型コロナウイルスの感染拡大前の19年に比べて43%の水準にとどまるとした。昨年12月時点では51%としていたが、各国政府の新型コロナに対する慎重な姿勢やワクチン接種の遅れなどから下方修正した。 ボーイングの21年1~3月期決算は、最終(当期)利益が5億6100万ドル