約2500言語が「消滅危機」 「消滅危機言語」ということばを聞いたことがあるだろうか。 「絶滅危惧種」なら聞いたことがあるが、消滅危機言語は聞いたことがないというかたが多いのではないだろうか。 絶滅危惧種とは、絶滅のおそれのある野生生物のことで、IUCN(国際自然保護連合)や学術団体、NGO、日本の環境省、各都道府県などがレッドリストを公表している。 消滅危機言語はその言語版にあたる。すなわち、使用する人が極めて少なくなり、近いうちに消滅のおそれのある言語のことで、2009年にユネスコがそのリストを公表した。 それによると、世界に存在する約6,000ないし7,000の言語のうち、約2,500が消滅の危機にあり、日本では八つの言語――アイヌ語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語――が消滅の危機にあるという。 野生生物の絶滅と言語の消滅は、どちらも同じくらい深刻な問題の