ノーマルな性ではないという響き 「ホモセクシュアル」という語を見て、不快な気持ちになる人はあまりいないだろう。少し時代遅れで、日常用語というよりは生物学的な響きはあるけれど、無難な表現なのでは――。 しかし、この言葉が今ほど意図的に、かつ含みをもって使用され、多くのゲイとレズビアンが軽蔑的な意味があると感じることはない。 「『ホモセクシュアル』は現在、私たちの祖父母の時代の『カラード(有色人種・黒人)』と同じ響きを持つ」と、ゲイとレズビアンの文化を研究するイェール大学のジョージ・チョーンシー教授(歴史学)は語る。 「ホモセクシュアル」という語の使用禁止を宣言した権利団体もある。「同性愛者の名誉を守る同盟(GLAAD)」は、「ホモセクシュアル」を差別用語リストに追加。2006年にはAP通信を説得して、その用字用語辞典で「ホモセクシュアル」の使用制限を明記した(APの用字用語辞典は多くの報道機