ケリー・ライカート(Kelly Reichardt)は、アメリカ合衆国の映画監督・脚本家。作品の多くはごく少数の登場人物の感情を精密にたどろうとする会話劇で、アメリカのインディペンデント映画作家として最も高い評価を受ける一人とも評される[1]。ニューヨーク州のバード大学で教壇に立つ[2]。 日本での氏名表記は「ライヒャルト」が長く使われてきたが、2020年に特集上映が行われた際に本人と確認の上「ライカート」に変更された[3]。 ライカートは1964年にフロリダ州マイアミで生まれ、ボストン美術館で修士号を取得。1994年に発表した長篇デビュー作『リバー・オブ・グラス(英語版)』は、サンダンス映画祭で審査員大賞にノミネートされるなど大きな注目を集めた。しかし当時、インディペンデント映画を撮る女性の監督は数少なかったこともあり、次回作の資金繰りに難航、ライカートは以後10年にわたって映画制作から