30年前、東京、渋谷。そこではたくさんの若者たちがファッションに身をつつみ、消費の戯れに興じていました。そして当時、その若者文化を分析するべく、学者たちが難しい言葉を使って都市について語る文化が存在していたのです。 明治大学4年生の私、白石がいままでずっと気になっていた先生方にお話を聞きに行く、短期集中連載『高校生のための教養入門特別編』の第3弾。熱狂するハロウィンについて、私たちは何を考え、何を見出すことができるのでしょうか。社会学者の南後由和先生に、『君の名は。』の都市論的解釈まで聞いてみました。(聞き手・構成/白石圭) ――都市論とはどのような学問なのでしょうか。 都市論とは、日常生活の場であると同時に、文化・芸術・政治・経済などの営みが重層的に展開される場である都市を、様々なアプローチを駆使して通時的、共通的に捉えようとする領域横断的な学問です。僕のような社会学者のほかに文学者や歴