案内板に従って「丹波」へ向かうと、京都に着いてしまう。そんな不思議な標識が篠山市内の国道にある。背景を探ると、丹波市、京都府京丹波町と、「丹波」を名乗る自治体が相次いで誕生したことがあるようだ。(井原尚基) 案内標識は、篠山市福井の国道173号に掲げられた2基。県丹波土木事務所(丹波市)によると、「丹波」は「京都縦貫道丹波インター」(京都府京丹波町)を指す。 標識は1988年ごろ設置され、当初、「丹波」は京都府の旧丹波町を意味していたとみられる。しかし、2004年に旧氷上町など6町が丹波市となり、標識と現実に食い違いが生まれた。 さらに2005年に旧丹波、瑞穂町などが合併し、京丹波町が発足。今年3月に標識を更新する際、直進方向を示す「瑞穂」の文字は「京丹波」に変更したが、「丹波」を京丹波にすると、「直進方向と同じになる」などの理由で変更しなかったという。 同事務所によると、これまで「標識が