内容 芸術作品から日常経験まで―画像と知覚をめぐる総合的考察 メディアの発達と相まって多種多様な「画像」が日常を覆い尽くすように広がり、今や我々は画像を通じて世界を見ているとさえ言えよう。だが現物とは異なる画像の中に、我々はなぜ「現物」を見ることができるのか―本書は、この画像本来の「虚構性」、見ることと概念の綜合が生む「像意識」、知覚・感覚作用が持つ「志向性」等、画像が孕む今日的問題群をめぐり、絵画はじめ芸術作品から様々の日常体験まで、多角的に分析・考察した力作論集である。 目次 第1部 画像とは何か 1 画像表象と中立性変様―フッサールにそくして(小熊正久) 2 受動的経験としての像経験─フッサールから出発して(田口 茂) 3 演劇としての『像』―像の発生的現象学の観点から(伊集院令子) 第2部 絵画と芸術作品について 4 絵の中に見えるもの―見えるものと描かれたもの(清塚邦彦) 5 絵