9世紀前半の山寺(山岳寺院)跡とみられる遺構が昨年確認された会津坂下町の高寺山(たかでらやま)遺跡で、古密教の祈祷(きとう)で利用する「修法壇(しゅほうだん)」や、湧き水をためる堰(せき)とみられる遺構が新たに見つかったことが25日、町教委への取材で分かった。宗教考古学専門の時枝務立正大教授(61)は、いずれも国内で数例しかない貴重な遺構と評価し「(会津に仏教文化を興隆させた)徳一(とくいつ)とも深く関わりがあると考えられる」としている。 町教委などによると、遺跡南東の高台で土を削り取った跡や石組み、物を燃やしたとみられる炭などが出土。高台北側では谷に沿って河原石が敷き詰められていた。出土品や遺構の状況から、修法壇と堰の跡とみられ、堰でためた水は、古密教の祭礼で利用された可能性があるという。 遺構は、出土した土器などの炭素の年代測定からいずれも9世紀ごろのものとみられる。同遺跡ではほかにも