市井の詩伝道師です。 「『一篇の詩に出会った話』を巡る旅」記事は他サイトに引っ越しました(各記事参照)。
「オレの東大物語」。なんて夜郎自大なタイトルだと思ったら、著者は昨年(2019年)5月に亡くなった文芸評論家の加藤典洋さんだった。本の帯に「東大はクソだ!」と書いている。なんか面白そうだと手にしたら、読み終えるまで手が放せなかった。地方から東京に出てきた全共闘世代の若者の青春記として、長く読み継がれる本になる予感がする。 亡くなる直前2週間で書き上げた 本書『オレの東大物語 1966~1972』(集英社)は、東大入学前の山形での高校生活に始まり、6年間の東大生活、その後就職した国立国会図書館時代までを加藤さんが回顧した自伝的テキストである。 2019年3月、病気入院を経て加療中の東京都内の病院の病室でわずか2週間で書いた。毎日20~30枚書いたという原稿は異様な疾走感と全能感に満ちている。そして独特の伝法な文体をかたちづくっている。『敗戦後論』(講談社)など緻密な論理で書かれた評論とは明ら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く