オオカミはガイデ・リザエバをレイプ犯から救ったが、その後に彼女が目撃することになった残虐行為までは防げなかった。 2014年7月、30代初めのリザエバはウクライナ東部に駐留する政府軍に物資を運ぼうとして、同行者3人と共に親ロシア派の武装勢力に拉致された。 同行者はジャーナリスト、聖職者、運転手。リザエバら4人は近くの拠点に連行され、仮設の拘留施設に監禁された。施設では親ロ派支援のために派遣されたチェチェン人の戦闘員が軍靴や銃床で捕虜を殴打した。妊娠4カ月だったリザエバは、それが原因で流産したという。 オオカミのタトゥーとイスラム教徒であることに免じて リザエバを投げ飛ばした男たちは、彼女の背中にオオカミのタトゥーがあるのに気付いた。チェチェン人にとってオオカミは神聖な動物だ。男たちは彼女を痛めつけるのをやめた。 「おまえはチェチェン出身かと聞かれた。ノーと答えたが、オオカミのタトゥーとイス
・目をえぐり取られ、耳をそがれ、手足や性器を切断されたチェチェン人の遺体 ・ソ連によるアフガニスタン侵攻の現実 ・チェチェンの伝統「血の報復の掟」 チェチェン人の男は必ず復讐を果たすという―― それから、チェチェンには、独特の「血の報復の掟」があるんです。チェチェンでは、子どもが生まれると、男の子だけですが、7代前までの名前を全部暗記させるんです。それから、どこで生まれてどこで死んだということも全部暗記させるんです。そして、もし祖先の7代までのうちに殺された人がいたら、誰に殺されたかも同時に暗記させるんです。それで、殺した奴の7代前まで報復をしなければいけないのです。殺した方の家の男系7代に渡ってそれは続くんです。そういう「血の報復の掟」があります。これは今でも厳しく守られています。仇討ちの旅に出なければならないんです。そうじゃないと一族が許してくれない。 一見すると、これは大変乱暴なよう
グロズヌイ中心部を歩く親子連れ。奥のビルでは昨年12月、武装グループの立て籠もり事件が起きた。治安上の懸念は消えていない=ロシア南部チェチェン共和国で2015年6月21日午後、真野森作撮影 イスラム教のラマダン(断食月)が始まって間もない6月下旬、カフカス山脈の北側に位置するロシア南部チェチェン共和国を取材で訪ねた。ソ連崩壊後の2度の紛争で焦土と化したが、カディロフ首長による強権支配の下、巨額の投資によって復興を遂げていた。治安上の懸念があるため取材以外では訪問が難しい現地の「食」や暮らし、伝統文化の一端を紹介したい。【真野森作】 初夏のチェチェンは既にうだるような暑さだった。「山岳地帯だから涼しいのでは」と想像していたが、実際にはチェチェンの北半分は平野。首都グロズヌイでは連日35度前後の猛暑が続いた。ほとんどの人はイスラム教徒としてきちんと断食を守り、日中は一滴の水も口にしない。昼間は
博物館に飾られたチェチェン共和国トップのラムザン・カディロフ首長の肖像写真=ロシア南部チェチェン共和国グロズヌイで2015年6月23日午後、真野森作撮影 今年5月で1期目の大統領就任から15年となったロシアのプーチン大統領。権力の座に上り詰めた原点は、エリツィン政権の首相として当初から指揮をとった第2次チェチェン紛争(1999年8月〜2009年4月)だ。ロシア南部チェチェン共和国の独立派武装勢力に対する強硬姿勢が国民に支持され、00年3月の大統領選で圧勝した。ウクライナ東部紛争を巡る米欧との対立が長引く中、プーチン政権の原点の地であるチェチェンを取材した。現場から浮かび上がってきたのは、「プーチン後」が不透明なロシアの姿そのものだった。【グロズヌイ(チェチェン共和国)で真野森作】 モスクワから空路で約2時間、タラップへ一歩踏み出すと気温35度のむっとした熱気に包まれた。北カフカスに位置する
ロシアを揺るがすテロの震源地、北カフカス 北カフカスにある北オセチア共和国の都市ベスラン。この町の第1学校の体育館に人影はなく、北オセチア平原からの疾風が吹き付けているだけだ。2004年9月1日、学校の始業式当日、マスクをしたガンマンたちが(日本の小中高にあたる)ベスランの第1学校に侵入し、数百名の子供と教師を室内のバスケットボールコートに人質として閉じ込め、3日間にわたって立てこもる事件が起きた。 9月上旬の残暑が続くなか、体育館内で脱水症状を起こして死亡する子供もいた。他の多くは、体育館の屋根を吹き飛ばし、大規模な火災を引き起こしたゲリラの手製爆弾の犠牲になった。その後、追悼館とされたこの体育館の壁には300名を越える犠牲者たちの写真が飾られている。そこには、始業式のためにヘアーリボンをつけ、微笑む女の子の写真もある。 ベスラン事件はこの20年の間にロシアで起きたもっとも痛ましい
ロシアとチェチェン:カフカス・コネクション プーチンとチェチェン首領カディロフとロシア連邦保安局の三角関係 http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/289.html 投稿者 ダイナモ 日時 2015 年 3 月 19 日 19:54:07: mY9T/8MdR98ug ウラジーミル・プーチン氏とチェチェンの盟友との協定が、突如、脆くなったように見える。 27日にリベラル派の政治家、ボリス・ネムツォフ氏を殺害した犯人たちは、逮捕されるとは思っていなかった。それは彼らのふてぶてしさから明らかだった。 犯人グループは、モスクワ中心部でネムツォフ氏を背後から銃撃した後、市の中心部から離れるために川を渡ることはなかった。 その代わり、クリムリン(大統領府)をぐるりと一周し、ロシアの議会ドゥーマを通り過ぎ、半分が歩行者用になっている明るい通りに入った。逃走用の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く