2019年1月4日掲載 取材・文 中川 隆夫 この不思議な形はいったいなに? まるで仏塔のようなつり鐘状の形や、足の付いた香炉のような美しい形の写真を見たのは、数ヵ月前、我ら探検隊が「鳥羽の地質図」で取材にうかがったときだった(「恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか」)。幾何学模様のように規則正しい骨組みで成り立っているものが「放散虫」という生物の化石と聞いて驚いた。しかもそれが地質研究の年代を決定づけるのに役立っているのだという。 放散虫の顕微鏡写真。 今回はこの「放散虫」化石を探検に向かおうということで、訪ねたのは、産総研の地質情報研究部門・海洋地質研究グループの主任研究員、板木拓也さんだ。大学院時代は探検部に所属したという板木さんは、人なつこい笑顔で研究室に迎え入れてくれた。 板木さん 掌に載るぐらいの球体の模型や、シルバーアクセサリーになった放散虫を前に板木さんにうかがった。 5億年