1980年代後半のApple製品をデザイン面で支えたフロッグデザインの創設者ハルトムット・エスリンガーが、著書「形態は感情にしたがう」(ボーンデジタル刊)の出版記念イベントで来日。デザインの極意を熱く語った。 エスリンガーの講演は、幼少時代のエピソードから始まった。1944年にドイツで生まれた彼は、子供を型にはめようとする同国の教育の在り方に反発を覚えたが、唯一の救いは、誰からも束縛されず自由な表現を追求できる音楽の世界だったという。そして、ただひとり彼の独自性を認め、妥協しないことの大切さを教えてくれた音楽の教師に現在も感謝しているという。今回の本を書いた動機のひとつも、創造性を伸ばす教育の重要性を広く認識してもらうためであると語った。 一方で彼は、昨今の「デザイン・シンキング」(優秀なデザイナーや経営者の思考法を真似て、新しい発想を生み出そうとするイノベーション手法)には疑問を感じてお