【ソウル=黒田勝弘】韓国では以前から仮想小説として「日韓戦争モノ」が流行だ。日本に対抗意識を持つことによって“元気が出る”という、日本に支配された過去の歴史からくる、ある種の民族的後遺症といおうか。 その「日本に勝ちたい」という思いは、周知のようにスポーツによく表れる。民族的な欲求不満のせいともいえるが、仮想日韓戦争の場合は決まって「独島(日本名・竹島)」をめぐる争奪戦がきっかけになっている。 韓国では近年、「独島」は愛国主義のシンボルになっている。そのため日韓間で問題が起きるとマスコミはまるで「日本が武力で奪いにくる」といわんばかりに、国民の対日警戒心と愛国ムードをあおる。「北の脅威」感が後退した結果、今や仮想敵は北朝鮮から日本に移ったかのような雰囲気だ。 今回の“独島騒ぎ”でも早速、韓国軍による「独島防衛訓練」が行われ、マスコミでは「実効支配強化のため海兵隊派遣も」など軍事的対応が語ら