今年は日韓併合100年記念ということで、韓国で日韓併合条約無効論が盛りあがりを見せ、日本の非良心的・反進歩的知識人が5月に、それに同調する声明を出した。今回、自信喪失内閣が、首相談話で「無効」論に荷担しなかったことは、ひとまず慶賀しなければなるまい。 ≪「無効」では辻褄が合わなく≫ 遠く異朝をとぶらえば、朝鮮王朝などという王朝はなかった。朝鮮国の李朝である。この李朝は高麗武将のクーデターによる簒奪(さんだつ)王朝である。国名は明に決めてもらった。米ハワイ大学図書館には朝鮮から中国への書状の写しが残されているが、17世紀から18世紀までの4人の王の賀状が含まれている。即位の年には、「朝鮮国、権署国事、臣李某」から始まり、「国事をかりに処理する臣下の李」とはっきり書かれている。朝鮮は中国の属国であった。 19世紀に入り、日清戦争の結果、下関条約により朝鮮は独立し、大韓帝国となった。その後、19