日銀は大方の予想通り3月10―11日の金融政策決定会合で金融政策を据え置いた。海外勢の中には依然として追加緩和期待が強く、4月30日の会合でも追加緩和がなければ、いったん円の買い戻しとなり、円高圧力が強まる可能性は高いと見ている。 日銀の追加緩和を期待する向きは、それが円相場を一段と円安方向にシフトさせ、消費増税に伴う景気鈍化をサポートする必要があると考えているのだろう。しかし、ここまでの円安はともかく、今後一段と円安が進むことは日本経済にとって果たしてプラスなのだろうか。そもそも、日銀は本当にここから一段の円安を望んでいるのだろうか。