「4×6、6×4論争」(論争自体の初出は、1972年1月26日の朝日新聞)については、矢野健太郎氏も書いていました。(新潮文庫『おかしなおかしな数学者』1974年、119ページ以下) 名古屋のラジオ局から電話がかかってきて、意見を求められたので、「どっちでもい」と答えたら、その理由を1時間後に聞かせてほしい、そのままラジオで放送するから、ということで、1時間必死に考え、次のように答えたということです。 1人に4つずつ6人に配るには、まず鈴木君に4個、次の田中君に4個、‥‥という方法がある。その図があります。縦に4個のミカンを点線で囲んだ列が6列あります。 「このように考えたとすれば、必要なミカンの数は、4のかたまりが6つあることになるから、 4×6=24 と計算するのが自然であろう。」 しかし、つぎの方法もあるとして、まずミカンを1個ずつ6人全員に配り、つぎにまたミカンを1個ずつ6人全員に