前回のお話 キルケゴールのあれかこれかとヘーゲルのあれもこれもの弁証法 〜ヘーゲルの聴講者キルケゴールの疑問 - 日々是〆〆吟味 ヘーゲルの壮大な大体系と小さな人間 精神現象学 作者:G.W.F. ヘーゲル 発売日: 1998/03/01 メディア: 単行本 ハイデガーとか実存主義とかになりますと、なんだか人間の実存主義という苦しそうなものを捉えた大変な哲学のように思えてきますが、どうも遡ってみるとヘーゲルみたいな人にぶつかってしまいそうです。 ヘーゲルと人間 しかしヘーゲルはそんな人間個人のことなんて苦しみの形ではそんなに考えていないような気もします。多分個人というものを焦点にしたものは『精神現象学』になるのかもしれませんが、ここでは人間は神の領域とでもいえそうな絶対知にまで向かっていく、そんなすごい精神成長のモデルを描いているようにも見えます。なんかみじめな人間の姿なんかなさそうです。