京都市中心部の人気屋台、突然の解体 寺の前で60年以上営業 何があったのか? 2023年3月1日 6:00 オフィスビルが集まる京都・四条烏丸の南に、「がん封じ」で知られる因幡堂平等寺(京都市下京区)はある。「因幡薬師(いなばやくし)」として親しまれる寺の門前には、小さな屋台があった。60年以上の歴史があり、全国からファンが訪れる名店だったが、1月下旬、人知れず解体された。 この屋台、公道上にある仮設の飲食店では京都市内で最後だったという情報もある。2年前に亡き父の後を継いだ男性が屋台を再開したばかりだった。なぜ人気の屋台は突然消えてしまったのか。男性を訪ねると、解体に至るいきさつを語り始めた。 屋台居酒屋「いなば」は、かつて因幡薬師の正門に建つ大きな灯籠のすぐ隣にあった。店主の名は、二郎さん。長年1人で店に立ち、だしが染みたおでんが名物だった。店内は狭かった。引き戸を開けると、カウンター