「不良債権予備軍」という時限爆弾が増えた地銀=中園敦二/白鳥達哉/桑子かつ代 <コロナで勝った負けた 地銀ランキング> 「背負った“時限爆弾”が増えた」──。(地銀ランキング 特集はこちら) 2021年3月期の地銀および第二地銀の決算(単体100行)を見たある地銀関係者はため息をつく。 “時限爆弾”とは、地銀の決算説明資料の「自己査定結果」欄にある「その他要注意先」のことだ。 地銀は通常、融資先の企業に対して、高く評価している順に、(1)正常先、(2)要注意先、(3)破綻懸念先、(4)実質破綻先、(5)破綻先──の五つに分けている。 このうち、(1)正常先は返済能力に問題のない融資先だ。また、明らかに経営難にある(3)~(5)に対しては、すでに「貸し倒れ引当金」を積むなど、地銀が何らかの対応を済ませている。従って、これらの融資先は、地銀の経営にとって“不確定要素”にはなりにくい。 (2)の