今回のテーマ:彗星と彗星の尾。彗星は氷や岩石などからなる小さな天体で、太陽系のかなり縁の方から、とても引き伸ばされた楕円の帰道を太陽に向かって落ちてくる。太陽に近づくと彗星を構成している氷やドライアイスが太陽の光で蒸発し、太陽の光を反射して輝いているのが彗星の尾。 アイソン彗星は、全くもって残念だった。うまくいけば夜明けの空に大きく尾をたなびかせる雄大な光景を見せてくれたろうが……。太陽に最接近した際に直径1km~4kmと推定される彗星の本体が太陽からの熱で分解してしまい、美しく尾を引く姿は幻となってしまった。 ところで彗星はいったいどんなものなのだろうか。どこから来て、なぜ尾を引くのだろうか。また、多くの人は知らないと思うのだが、実は彗星の尾は一本ではない。彗星は二本の尾を持っているのである。 太陽系の果てから落ちてくる“汚れた雪玉” 彗星が尾を引く理由は、彗星の成分にある。彗星の本体―