新世界読書放浪 |毛沢東の大飢饉大躍進時代の話。悲惨な記録がこれでもかこれでもかとひたすら続くもので、香港情報だか国民党だかKGBだかCIAだかが蒐集したホワイトプロパガンダの類を掘り起こしたものなのかと思ったのだが、これが中国の档案館でオランダ人の香港大客員教授が拾い集めてきたものだというから驚く。解説で鳥居民がその動きを察知した習近平が各地档案館に封鎖の通知を出したなんてことを書いているのだが、地方档案館にとっては、文書公開も権限の一つとしてコネかカネかで動く様になっていたのだろう。もっともこうした記録が残っているのは、文革時代みたいに組織が麻痺していた訳ではないという証左にもなるのだが、その死者数は今まで中国政府が認めた上限３千万ではなく、下限が４千万、実際は４５００万くらいというのが定説になってきたそうなので、それは凄まじいものである。中国が「抗日戦争」の犠牲者を３５００万にまで底上げしてきたのも、大躍進の死者数
