ブックマーク / honz.jp (4)

  • 『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力 - HONZ

    読書会のやり方は人によって様々だと思うが、面白く実施するためにはいくつかの条件がある。たしかに同じような読書量のメンバーが集まり、をネタに好き勝手言い合うだけでも、それなりの楽しさはあるだろう。 しかしそれを継続的に習慣化していくためには、少なからず妄想のような会話にリアリティが伴ってくる必要がある。HONZの例で言えば、サイエンスの話に触れながら、ふと感じた疑問に答え合わせのできる状況が整えばグッと面白くなるのだ。だからHONZの朝会にわざわざ大阪からやってくる大学教授の存在には、得難いものがある。 また信じられないようなノンフィクションを前にそれに近しい体験をしたことのある人の話が加わった時にも、盛り上がりを見せることが多い。自分では想像するしかなかったことが、誰かの体験と地続きになることで、一気に自分ごと化するような感覚が味わえるのだ。 そういった意味で書に収められている読書

    『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力 - HONZ
    dasahongo
    dasahongo 2018/03/19
  • 『結論は出さなくていい』番組プロデューサーが語る、「脱構築」の指南書 - HONZ

    書『結論は出さなくていい』を一言で言い表すなら、現代を支配する浅薄でしかも強固な固定観念を打ち破るための、知的誠実さによって貫かれた、「脱構築」の指南書である。 ここで言う「脱構築」とは、著者曰く、「自らの拠って立つところを自覚し、その足場を相対化し続けること」であり、もう少し分かりやすく言えば、書は、資主義社会を前提とする一元的な価値観によって自縄自縛になっている我々現代人が、どうすれば再び自分自身を取り戻し、真の意味での自由を手に入れることができるのか、その答えを追い求めた一人の敏腕プロデューサーの人生の軌跡である。 書の中で、著者は次のように語っている。 『僕はひとつの思想などと犬死はしない。だが、思想を変える自由を奪われることには死んでも抵抗する』。おそらくは哲学者ニーチェの言葉と記憶するが、言い得て妙だ。結論を出すという不自由さから逃れた時、人は自由になれるのだ。思考の運

    『結論は出さなくていい』番組プロデューサーが語る、「脱構築」の指南書 - HONZ
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    dasahongo 2017/12/25
  • 『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ

    「ありそうもないこと、稀有なこと、不可思議なこと、奇跡的なこと」。生物地理学者のギャレス・ネルソンはかつてそんな言葉でそれを嘲笑したという。だが実際には、どうやらそれは生物の歴史において何度も生じていたようだ。それというのは、生物たちによる長距離に及ぶ「海越え」である。 書が挑んでいる問題は、世界における生物の不連続分布である。世界地図と各地に生息する生物を思い浮かべてほしい。大西洋を挟んで、サルはアフリカ大陸にも、南アメリカ大陸にも生息している。また、「走鳥類」と呼ばれる飛べない鳥たちは、南半球の4つの隔たった地域に分布している。さらに、ガータースネークはメキシコ土で見られるが、そこから海で隔てられたバハカリフォルニア半島の南部にも生息している。 そのように、系統的に近しい多くの生物が、海などの障壁で隔てられた、遠く離れた地域に生息している。しかしそうだとしたら、彼らはいったいどうや

    『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ
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    dasahongo 2017/11/13
  • 『かくて行動経済学は生まれり』人間は間違える。劇的に、そして規則的に - HONZ

    マイケル・ルイスといえば『世紀の空売り』や『マネー・ボール』をはじめ、一攫千金の舞台裏をゲームのようなスリリングさで描く作家として記憶されている方も多いかもしれない。ところが作は行動経済学がテーマ、しかもルーツとなった2人の心理学者の評伝形式になっている。 ここで一抹の不安を覚えた方には、予め声を大にして言っておきたい。「心配無用である」と。まるで、これまでの名作の数々が序章に過ぎなかったと思わせるような抜群の仕上がりである。 行動経済学という概念を生み出したダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキー。書は2人の足跡を辿りながら、行動経済学という一つの学問が成立するまでのイノベーション、人間の行動のバイアスを次々と発見していくまでのサプライズ、そして絶妙なやり取りで天地をひっくり返していく痛快劇がこれでもかと繰り広げられる。 そもそもマイケル・ルイスが行動経済学に興味をもったきっか

    『かくて行動経済学は生まれり』人間は間違える。劇的に、そして規則的に - HONZ
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    dasahongo 2017/07/19
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