長野県飯田市にある国の名勝「天龍峡」の岩場に、ロッククライミング用とみられる金具が少なくとも63本打ち込まれていることが、28日わかった。 天龍峡は長野、愛知、静岡の3県にまたがる天竜奥三河国定公園内にあり、自然公園法で第1種特別地域に指定されている。さびついた金具に交じって新しいものもあり、市は文化財保護法や自然公園法に抵触する恐れがあるとして、文化庁に 毀損 ( きそん ) 届を提出した。 金具が打ち込まれていた岩は、天龍峡十勝とうたわれる奇岩の一つ「 樵廡洞 ( しょうぶどう ) 」。天竜川に面しており、高さは約10メートル。崖になっていて危険なことから、市が周囲への立ち入りを禁じていた。金具は、3月に地元の住民が見つけ、市に通報した。市はクライミング禁止を呼びかける文書を掲示。金具を抜くと岩自体が崩落する恐れがあるとして、「対応を慎重に検討したい」としている。